誰も走らないフリー走行!!
2020F1GP第11戦、ニュルブルクリンクのアイフェルGPは、深い霧で緊急ヘリコプターが飛べないことから走行ができない異例の初日になった。
コースを走ったのは、セフティカーのみ。F1マシンは、ピットガレージで待機したまま、とうとう1台もコースインせずに1時間半のセッションが2回とも終了した。
通常、金曜日には、持ち込んだベースセットで走行を開始してそのイニシャルセットを基準に全体の確認を行ない、初日のうちに予選セットと、レースを睨んだロングランでのタイヤのデータを収拾することがチームの仕事になるが、その作業が総て実行できなかった。
予選を前に残された時間は、明日土曜日のフリー走行3の1時間だけ。経験のない状況の中で、チームは最適化を組み立てなければならない。
混沌の状況では、いつもと違う結果になる可能性が極めて高く、予選と決勝は、荒れ模様の流れになりそうだ。
金曜日は気温11度とF1GPとしては極めて低い気温での1日になったが、明日土曜日は、小雨の中でさらに気温が下がって、最高気温が8度の予報。経験のない気温の中で、タイヤの磨耗のデータがなく、さらに、日曜日の決勝が晴れると見込まれ、さらに状況を複雑にしている。
[STINGER]山口正己
photo by Honda