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タイヤから見た2020F1GP第13戦エミリア・ロマーニャGP

ピレリは、5台がリタイアする最近では珍しいサバイバル・レースとなったF1第13戦を、『ハミルトン、終盤にセーフティーカーが導入されたイモラでのレースを2ストップ戦略で制す』というタイトルでくくって、以下のようにまとめた。

2020年11月1日、イモラのキーポイント
• メルセデスのルイス・ハミルトンが2ストップ戦略でエミリア・ロマーニャグランプリを制し、7度目のドライバーズタイトル獲得に一歩近づきました。チームメイトのバルテリ・ボッタスが2位に入り、両ドライバーが表彰台に上ったことで、メルセデスは2020年のコンストラクターズタイトル獲得を決定付けました。ボッタスは、計算上、現時点でハミルトンのドライバーズタイトルを阻止できる唯一のドライバーです。終盤にセーフティーカーが導入されたレースで、両ドライバーともに全3種類のコンパウンドを使用しました。

• オーバーカット戦略によって勝利を確実にしたハミルトンは、P Zeroイエロー・ミディアムタイヤでライバルたちよりも長いオープニングスティントを走行しながらも、ピットストップ前には自身のラップを更新していました。バーチャルセーフティーカーの機会を活かし、ハミルトンは、トップを譲ることなくP Zeroホワイト(ハードタイヤ)へ交換しました。

• フィニッシュまで10周を残すセーフティーカー導入周回中、ハミルトンやボッタスを含む大半のドライバーが、ファイナルスティントへ向けてP Zeroレッド・ソフトタイヤへ交換しました。

• セーフティーカーの導入が、1 ストップ戦略を採っていた大半のドライバーを 2 ストッパーへと促しました。ソフトタイヤでスタートしたドライバー中の最上位は、3 位を獲得したルノーのダニエル・リカルドでした。

• スタート時の気温は21℃、路面温度は24℃で、レース中も同様のコンディションが継続しました。

各コンパウンドのパフォーマンス
• ハードC2: マクラーレンとアルファロメオの両ドライバーを除く全ドライバーがハードを使用しました。リカルドとフェラーリのシャルル・ルクレールは、ハードタイヤで長いスティントを走行し、1ストップで完走しました。ハードタイヤは、期待通りの優れた一貫性を示しました。

• ミディアム C3: フロントローの両メルセデスを含む半数以上のドライバーがミディアムでスタートしました。30周を走行したハミルトンなど、いくつかの長いオープニングスティントが見られました。アルファロメオのキミ・ライコネンは、ミディアムで 49 周を走行し、残り14周時点で 4位に位置していました。また、チームメイトのジョヴィナッツィは、ミディアムで53周を走行しました。ポルトガルグランプリ同様、ミディアムタイヤは、優れた性能と一貫性を示しました。

• ソフトC4:リカルドやルクレールなど、ソフトタイヤでスタートしたドライバーたちは、そのスピードを活かしてオープニングスティントで上位を走行しました。アルファタウリのダニール・クビアトは、ソフト – ハード – ソフトと繋ぐ戦略で4位を獲得しました。序盤にはグレイニングの発生が見られましたが、レースの進行に伴ってタイヤの状態は改善していきました。

ピレリ・カーレーシング責任者マリオ・イゾラのコメント
「終盤のセーフティーカー導入が戦略に大きな影響を及ぼしました。それまでは、イモラでのピットストップロスタイムが大きいこともあり、1 ストップ戦略が主流のレース展開でした」
「ソフトタイヤにグレイニングが発生したことで、当初思い描いたソフトを使用した戦略は、ミディアムやハードを主体とするものに変化しました」
「フロントローの両ドライバーがスタート時に装着したミディアムタイヤのデグラデーションは、長いスティントにおいても最小限でした。また、多くのドライバーがハードタイヤで40周以上を走行しました」
「もちろん、32周を走行していたレッドブルのマックス・フェルスタッペンのハードタイヤに何が起こったのか、調査する必要があります。現時点では、デブリによってパンクが発生した可能性があります」
「7年連続でコンストラクターズタイトルを獲得したメルセデスを祝福します。ハミルトンがバーチャルセーフティーカーのアドバンテージを完璧に活かすなど、今回も非常に戦略的なレースでした」

【STINGER】
photo by PIRELLI

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