開幕直前テスト初日のホンダby田辺TD
開幕戦のバーレーンの舞台となるザヒール・サーキットで始まったF1公式テスト。Hondaパワーユニット勢は好調な走りで初日を終えた。
砂漠の中のサーキットは、強風で砂嵐が巻き起こりコンディションは最悪だったが、Hondaパワーユニット(PU)を積むレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリともに走り込みを重ね、順調にシーズンのスタートを切った。
現地時間10時に4時間の午前セッションが始まり、レッドブル・レーシングはマックス・フェルスタッペン、スクーデリア・アルファタウリはピエール・ガスリーが走行を担当。2021年型マシンで初の公式走行で、ガスリーが精力的に周回を重ね、74周を走り込んだ。
走行時間のほとんどが、空力データの収集とシステムチェックに費やされたが、ガスリーは午前のセッションでの最多ラップを記録。C3タイヤでの自己ベストは、トップから0.028秒差の2番手となった。
フェルスタッペンは、午前に60周を走行してトップから0.042秒差につけ、午後には周回を重ねて最多の139周を走破。
午後の前半に砂嵐が発生してグリップが大きく低下、走行ラインを外すと砂漠の中を走るような状況だったが、日暮れと同時に状況がやや改善、照明が灯る頃に、C3タイヤを履いたフェルスタッペンが最速タイムを記録した。
スクーデリア・アルファタウリは、午後の難しいコンディションの中をを角田裕毅が担当。ガスリーに迫るタイムを記録して好印象を加速。燃料システムの問題の確認で早めに走行を切り上げながら、ガスリーと合わせて111周を走破、貴重なデータを収集した。
2日目の土曜日は天候改善が見込まれ、レッドブル・レーシングはセルジオ・ペレスが担当。スクーデリア・アルファタウリは初日と同じく2人のドライバーが走行する予定。
田辺豊治Honda F1テクニカルディレクター
「例年になく短かったオフシーズンを終え、いよいよプレシーズンテストがスタートしました。Hondaにとって最後となるシーズンに向けて、HRD-サクラ、HRD-UKの全メンバーが一致団結し、戦闘力向上を目指して開発を進め、レッドブル・レーシング・ホンダ、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダも、高いモチベーションで開発を続けてきました」
「2021年型車両で初の本格走行でしたが、規則変更で走れるのはわずか3日間になり、ホンダF1最終年のスタートであり、また新型のPUを持ち込むなど、例年以上の緊張感をもってテスト初日を迎えました」
「初日は、レッドブル・レーシングが最多の139周、スクーデリア・アルファタウリが合計で111周、Hondaとしては250周を周回。PUとしては大きな問題もなく順調な一日になりました。PUの各種データ計測、基本的な機能確認や各モードの最適化のメニューを進めています」
「スクーデリア・アルファタウリの午後のセッションを担当したルーキーの角田は、砂嵐による悪コンディションでしたが、ミスなく堅実に走行を重ねて習熟を進めました。車体の燃料システムに異常を確認し、調査のために早めに走行を切り上げざるを得なかった ことは残念でしたが、明日以降さらに周回を重ねてくれればと考えています」
「残りの2日間で効率よくテストを行ない、残された時間を無駄にすることなく初戦に向けて準備をしていきたいと思います」
【STINGER】
photo by Honda