ホンダの開幕戦by田辺TD
マックス・フェルタッペンの2位で、ホンダはF1GP通算200回目の表彰台を達成。角田裕毅もデビュー戦でポイント2を得た。
開幕戦バーレーンGPの決勝は、首位争いが最終ラップまで続く激しい戦いとなり、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、ハミルトン+メルセデスに0.7秒差の2位となった。
フェルスタッペンはポールポジションからスタートしてレースをリードしたが、ームメートのセルジオ・ペレスは、フォーメーションラップ中に電源がシャットダウンし、ピットレーンスタートを強いられた。
さらに、オープニングラップのクラッシュで、セーフティカーが出動したが、SC明けのリスタートで、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、ダニエル・リカルド+マクラーレンと接触、フロントウイングを失うダメージを負ってしまった。
このアクシデントでバーチャルセーフティカーが導入され、ガスリーはその間にピットインしてウイングを交換したが、レース復帰後もダメージの影響に苦しみ、残り4周時点でリタイアを喫した。
ペレスも序盤でピットに入ってタイヤを交換。ここから追い上げを開始し、オーバーテイクを繰り返して順位を回復した。
フェルスタッペンは、首位を守りながらレースを進めたが、2位にいたハミルトン+メルセデスが早めのピットストップを行なったのに対してフェルスタッペンは17周目にピットイン、2度目のスティント でも力強い走りで首位を追いかけた。
F1デビュー戦の角田裕毅は、スタートでややポジションを下げたが、ターン1とターン4で見事なオーバーテイクを披露し、順位を取り戻し、15周目に最初のピットストップでミディアムタイヤからハードに交換。33周目の2度目には、再びハードタイヤを装着した。
フェルスタッペンは、残り17周で2度目のストップ。ハードタイヤに交換し、13周早くピットインした首位のハミルトンを、8.8秒差で追撃。残り4周で追いついて、ターン4でオーバーテイ ク。しかし、コーナー出口で膨らんで、コース外走行となったため直後に順位を譲り、再度の追い上げを図った。ファイナルラップでハミルトンの背後に迫ったフェルスタッペンだったが、パスするには至らず、0.7秒差の2位でチェッカ ーフラッグを受けた。
ペレスは39周目に3度目のピットストップでミハディアムタイヤを得て8番手で復帰。好調なペースを見せ、ストロール+アストンマーティン、リカルド+マクラーレン、ルクレール+フェラーリをオーバーテイクして5位入賞を果たした。
角田は最終ラップまで攻め続け、最終コーナーでストロールをオーバーテイクして9位入賞、デビュー戦でポイントを獲得した。日本人ドライバーがデビュー戦でポイント獲得を果たすのは史上初だった。
田辺豊治ホンダF1テクニカルディレクター
「レッドブル・ホンダのフェルスタッペンがポールポジションからスタートしたものの、残念ながら勝利を逃し2位表彰台獲得に終わりました。勝利を逃したという悔しい思いの一方で、ポールポジション獲得に加え、レースでも終始トップ争いを繰り広げるパフォーマ ンスを見せられたことをポジティブに捉えています」
「戦略の違いによりハミルトン選手を追いかける展開になり、最後は1秒差以内まで追い詰めたものの、惜しくも届かず2位となりました」
「チームメートのペレス選手は、フォーメーションラップ中の電源シャットダウンによりマシンがコース上でストップ。幸運にも電源が復活し、ピットレーンからスタートすることができました。最後尾からの追い上げにもかかわらず、素晴らしい走り で5位まで順位を上げてフィニッシュしていますが、今日発生した問題については、車体・PU合わせてこの後解析を行ない、再発防止に向けて対応をしていきます」
「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田は、デビュー戦でいくつものオーバーテイクを見せて9位入賞を果たしました。うまくタイヤをマネージし、いいレースをしてくれたと思います」
「ガスリーは序盤の接触が影響し、残念ながら終始後方でのレースになりました が、スクーデリア・アルファタウリの2台は、週末を通して速さを見せていました。ホームグランプリとなる次戦もいい走りを見せてくれることを期待しています」
「今週末は両チームともに競争力があることを見せてくれました。オフシーズンの間に懸命に開発を進め、新しいPUを送り出してくれたHRD-SakuraとHRD-UKのメンバー、それに素晴らしいマシンを開発してくれたレッドブル・レーシングとスクーデリア・アルファタウリにも感謝の言葉を贈りたいと思います」
「今回のレースでのデータを入念に解析し、PUの最適化をすると同時に、問題点や懸案に対しての対応を進め、次戦に臨みたいと思います」
【STINGER】
photo by Honda