ホンダの第2戦by田辺TD「いい戦いができていることに感謝」
2021F1GP第2戦エミリア・ロマーニアGPの決勝が、雨模様のイモラ・サーキットで行なわれ、ホンダのパワーユニットを搭載するマックス・フェルタッペンのレッドブル・ホンダが、ハミルトン+メルセデスの追い上げを振り切って優勝した。
スタートの約1時間前に雨が高速コースを濡らし、全員がスタートタイヤを選択できる状況になった。ホンダ勢は、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーだけがウエットタイヤ、フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、角田裕毅は浅溝のインターミディエイトを選択した。
3番グリッドのフェルスタッペンが素晴らしいダッシュでハミルトン+メルセデスのインを強襲して奪首。フロントローからスタートしたペレスが並びかけ、3ワイドの先陣争いから3番手を確保したが、濡れた路面でグリップを失いかけて4番手に後退。この直後にアクシデントが発生し、セーフティカーが導入された。
SC明け直前、ペレスはターン9でコースアウトを喫して2ポジションダウン。すぐにポジションを戻したがSC走行中の追い越しでペナルティーを食らった。
ウエットタイヤ組はタイヤ交換を余儀なくされたが、路面が乾き始めた15周目にガスリーもインターミディエイトタイヤに交換して大きく後退し、角田はオープニングラップで最後尾から14番手までジャンプアップ。ペースの上がらないガスリーを交わして、序盤で13番手まで上昇した。
ハミルトンの追い上げに対してフェルスタッペンが27周目にピットインしてドライ用ミディアムに交換。ハミルトンも直後にピットインしたが、フェルスタッペンが5秒近くのリードを築いて首位をキープ。ハミルトンがコー スアウトし、フェルスタッペンはリードを拡大したが、34周目のラッセル+ウィリアムズとボッタス+メルセデスの激しいクラッシュでレースは赤旗中断となった。
中断でタイヤ交換が可能になり、フェルスタッペンはミディアム、ペレスと角田はソフトに交換。リスタート時にはフェルスタッペンがハーフスピンを喫する場面もあったが、首位をキープ。ペナルティ ーを消化したペレスが4番手までポジションを戻した。
角田もリスタートで9番手にポジションを上げたが、ターン2でスピンしてポイント圏外に順位を落とした。ペレスもターン6でスピンして12位フィニッシュ。角田は13位に終わった。
ガスリーはレース再開後から素晴らしい追い上げを見せ、ライコネン+アルファロメオをオーバーテイクすると、ストロール+アストンマーチンやリカルド+マクラーレンにプレッシャーをかけ続けて7位、6ポイントを獲得した。
フェルスタッペンは後続との差を広げ、20秒以上のリードを保ってゴール、今季初勝利を挙げ、ホンダとして79勝目、1991年のアイルトン・セナ選手以来のイモラでの勝利を飾った。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「スタート前に降り出した雨の影響で、非常に難しい路面コンディションの中でアクシデントが多発し、赤旗中断などがあるトリッキーなレース展開でしたが、ドライバー、チーム、そしてホンダのメンバーそれぞれが着実な仕事をしたことで勝利が得られました」
「懸命な開発で競争力のあるPUを送り込んでくれたHRD-SakuraとHRD-UKのメンバー、そして素晴らしい車体を開発してきたレッドブル・レーシングに感謝の言葉を贈ります」
「5番手スタートのスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリーは、序盤のウエットタイヤでの走行で一時は大きくポジションを落としましたが、粘り強い走りで巻き返して7位入賞を獲得してくれました。レッドブル・ホンダのペレス、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田も、ともにいい走りを見せていましたが、残念なことに濡れた路面でスピンを喫し、完走を果たしたもののポイント圏外に終わりました」
「まだ2戦を終えたところですが、いい戦いができていることをうれしく思っています。ここからも長いシーズンが続きますが、一戦一戦を大事に全力で前進を続けていきます」
【STINGER】
photo by Honda