あらゆるものが特別なモナコ
モナコGPが特別なのは、誰でも知っている。
まずはコースが他にはない。
最高速はF1GPでハンガリーに次ぐ“低速”で平均170km/hほどだが、鈴木亜久里はF1現役時代、「モナコは、コース幅とスケールからいくと筑波サーキットと同じくらいだけれど、怖さは比べものにならない」と言った。全周にわたってガードレールが張り巡らされているから、ランオフエリアもセフティゾーンもほぼゼロ。小さなミスが命とりになる。
そしてなにより、『伝統のグランプリ』というキャッチフレーズがピッタリくる公国のレースは、他のレースが、“観客に見せるレース”なのに対して、“王室の方々に観ていただくレース”という圧倒的な違いがある。
そうしたイメージを受け止めて主催者も参加者も、他とは一線を画した特別な構えで臨み、たとえば上のようなリリースひとつにしても、特別なものになる。
当然の帰結として、もちろん今年も、特別なレースが展開するに違いない。
[STINGER]山口正己
photo by Scuderia AlphaTauri