ルクレール悲劇とフェルタッペン笑顔のモナコGP
2021F1GP第6戦第68回モナコGPがモナコ・モンテカルロで行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルタッペンが、終始レースをリードしてモナコ初表彰台=優勝を飾った。
フェルタッペンは、モナコ初表彰台が優勝となり、この勝利で、ルイス・ハミルトンを抜いてポイントリーダーとなり、レッドブル・ホンダも、メルセデスを交わしてポイントランキングの最上段に名前を掲げた。
母国ドライバーとしてポールポジションを奪って注目されたフェラーリのシャルル・ルクレールが、昨日のクラッシュで傷めたギアボックスを修復したがグリッドに向かおうとしたところで壊れるというなんともな状況でスタートできない悲劇が最初のドラマだった。結局ルクレールは出走を諦めるしかなく、ポールポジション不在のレースが始まる。
前に誰もいない2番手グリッドのフェルタッペンは、一瞬蹴りだしが鈍ったが、ダッシュを決めたバルテリ・ボッタスのメルセデスをなんとか押さえ込んで1コーナーを回った。
ボッタス+メルセデスはフェルタッペン+レッドブル・ホンダをピッタリとマークして周回を重ね、29周目にタイヤを求めてピットインしたが、右フロントタイヤのホイールナットが固着して外れないという災難に見舞われて、ルクレールとはまた別の悲劇の主人公になった。
代わってカルロス・サインツのフェラーリが2番手につけ、ランド・ノリスのマクラーレンが3番手となってレースが進み、フェルタッペン+レッドブル・ホンダが危なげないレースで78周を走りきった。
今回のレースは、モナコとしては珍らしく、セーフティカーの出番はなく、チェッカードフラッグを受けたフェルタッペンは、インタビューに「楽なレースでした」と応えたが、表情は、これまでみせたことのない充実感にあふれていた。
2位のサインツも、3位のノリスも、ここがモナコであることを現わす達成感に満たされた晴れがましい笑顔だった。
ガスリー+アルファタウリ・ホンダがここでも巧さを見せて6位8ポイントを獲得。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのポテンシャルとしては最上の週末を闘った。
モナコ初走行だった角田裕毅は、16番手からスタートして同じ16番手のゴールだったが、一度壁に軽くタッチしたものの、ガードレールに囲まれたリスキーなモナコGPを周回遅れになりながら走りきり、一歩階段を上がったことを証明した。
ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ルクレールが消えて7位に上がったが、そのまま淡々と78周をこなしてゴールした。
次のレースは、同じく公道コースのバクー・シティ・サーキットで行なわれるアゼルバイジャンGP。6月4日金曜日に開幕し、6日に決勝レースが行なわれる
モナコGP結果
1. フェルタッペン+レッドブル・ホンダ
2. サインツ+フェラーリ
3. ランド・ノリス
4. ペレス+レッドブル・ホンダ
5. フェッテル+アストンマーチン
6. ガスリー+アルファタウリ・ホンダ
7. ハミルトン+メルセデス
8. ストロール+アストンマーチン
9. オコン+アルピーヌ
10. ジオヴィナッツィ+アルファロメオ
11. ライコネン+アルファロメオ
12. リカルド+マクラーレン
13. アロンソ+アルピーヌ
14. ラッセル+ウィリアムズ
15. ラティフィ+ウィリアムズ
16. 角田裕毅+アルファタウリ・ホンダ
17. マゼピン+ハース
18. シューマッハ+ハース
—-以下、リタイア
ボッタス+メルセデス
ルクレール+フェラーリ
[STINGER]山口正己
photo by Honda