角田裕毅の超高速バクーの闘い
アゼルバイジャンGPで初めてQ3に進出したが最後のアタックでバリアに接触した角田裕毅+アルファタウリ・ホンダは、ノリス+マクラーレンがペナルティで3グリッドダウンしたことで、7番手グリッドからレースを始めることになった。
「予選の最後に当たってしまったけれど、ここはオーバーテイクもできるし、積極的に攻めてポイントを取りたいです。明日はまた別の一日になるので、気持ちを改めてレースに臨みます」と、ここでもプラス思考で前向きにレースに挑んだ。
スタートで若干出遅れてフェルナンド・アロンソ+アルピーヌに先を越されたが、7周目に抜き返してレースを進め、二度のセーフティカーにもことなく対応し、ここまでの失敗を繰り返すことなく、接触もなく超高速の難コースを完走した。
二度目のセーフティカーの後の赤旗待機中に、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのチームのフランツ・トスト代表が、父親のように角田裕毅に寄り添う場面もあり、角田裕毅が大切にされていことも伺えた。
セルジオ・ペレスは、シーズン前に、「新チームのレッドブル・レーシングのマシンやメンバーなどに慣れるまで5~6戦かかるので、夏前まで待ってほしい」というようにコメントしてたが、そのペレスが見事に優勝。角田裕毅も、“勉強期間”を卒業して、地に足が着いてきたことを思わせた。
次のレースは、スペインのカタルニア・サーキットと同じく、かつてテストで使われることが多かったフランスのポールリカール。美しく温暖な高速コースから、いよいよ角田裕毅のF1GP本格挑戦が始まる。
[STINGER]山口正己
photo by Honda