ピレリのフランスGP
6月20日にポールリカール・サーキットで行なわれた2021フランスGP決勝で、フェルタッペン+レッドブル・ホンダが、ミディアム–ハード–ミディアムと繋いで、2ストップ戦略で優勝した。
キーポイント
• レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、非凡な 2 ストップ戦略でフランスグランプリを制した。
P Zero イエロー・ミディアムでスタートしたフェルスタッペンは、P Zero ホワイト・ハード – ミディアムとつなぎ、上位勢では唯一の2ストッパーとなった。フェルスタッペンは、ファイナルラップの1周前にハミルトン+メルセデスからトップを奪い返した。
• メルセデスのルイス・ハミルトンは、スタート直後の第一コーナーでトップに立ちった。フェルスタッペンが2回目のストップを行なった際、ハミルトンはステイアウトを決め、大半が使用したミディアム–ハードの1ストップ戦略を選択。もう一人の2ストッパーは、16位でフィニッシュしたフェラーリのシャルル・ルクレール。
• トップ10グリッドを含む大半のドライバーが、ミディアムタイヤでスタート。ハードタイヤでスタートしたのは、アストンマーティンとアルファロメオの2人と、アルピーヌのエステバン・オコン、ハースのニキータ・マゼピン。
レース中、ソフトタイヤは使用されなかった。
• ミディアムタイヤでスタートしたドライバーが上位8名を占めた中、ハードタイヤ・スタートの最上位は、アストンマーティンのセバスチャン・ベッテルだった。ベッテルは、ハードタイヤで 37 周のオープニングスティントを走行後、ミディアムタイヤへ交換して9位を得た。同じストラテジーを採ったチームメイトが10位で続いた。
• 土曜日よりも冷涼な天候の中、日曜朝の雨が、路面に載ったラバーを洗い流した。気温は約 27℃、路面温度は、フリー走行や予選時よりも 15℃程低い約 37℃だった。
各コンパウンドのパフォーマンス
• ハードC2
大半のドライバーが長い第2スティントで使用。第1スティントで使用のフェッテル+アストンマーチンを含む数名が、ハードで37周を走行。ハミルトンは、フィニッシュまでハードタイヤで競い合った。
• ミディアムC3
フェルスタッペンの勝利の鍵になった。レッドブルは、フェルスタッ
ペンの2ストップ戦略を決断し、フェルスタッペンはファイナルスティントでミディアムを使用。マクラーレンのランド・ノリスもミディアムを効果的に使用した。長いオープニングスティントをミディアムで走行したノリスは、ハードでファイナルスティントを走行して5位を得た。
• ソフトC4
レースでは使用されなかった。「グリーン」なトラックを含む決勝のコンディションは、P Zeroレッド・ソフトよりも耐グレイニング性能が高い、より硬いコンパウンドの使用を促した。
ピレリF1およびカーレーシング責任者マリオ・イゾラ
「低い路面温度、今朝の雨によってグリーンな状態になったトラック、ドライバーに影響を及ぼした風などの未知の要素によって、レースは緊迫した戦略的戦いとなりました。また、これらの要因によって左フロントタイヤのグレイニングが増加したことも、今日の鍵の一つでした。結果的に、1ストッパーが予測された中、レッドブルとフェルスタッペンが決断した2ストッパーの可能性も生まれました。2ストップと1ストップの差が非常に微妙であることは明らかでした。
いずれの戦略も、成功させるためには、多くの責任と実行力が求められました。ファイナルラップまで誰も結果を予測できない、マスタークラスの戦略を実行したフェルスタッペンとレッドブルを祝福します」
【STINGER】
photo by PIRELLI