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ハミルトンとフェルタッペン接触の波紋の検証

徹底的に闘う!?フェルタッペン親子。

結論から言えば、怪我がなくて本当によかった。ハミルトンのフロントウィングに接触してパンクした右後輪がもげたフェルタッペン+レッドブル・ホンダは、高速のままタイヤ・バリアに激突して51Gという強烈な衝撃を受けて右側が壊滅的に破壊され、フェルタッペンは検査のために病院に帆走されたが、高い衝撃安全規定に護られてドライバーは無事だった。

この接触には、事実としてのいくつかの現象が見つけられる。

◆接触が起きる半周前のスタート直後の最初のコーナーで、2台のホイール同士が軽く接触して火花が飛んだ。

◆どちらもアグレッシブに攻めて引かなかった。

◆接触の寸前にハミルトンが牽制のためにラインを左のフェルタッペン
の方に“寄せ”ている。

◆ハミルトンに10秒ペナルティが課せられた。

◆ハミルトンはペナルティをタイヤ交換時に消化した。

◆10秒ペナルティは、角田裕毅の白線カットとハミルトンの接触。

◆15万人近い観客が興奮の極致にあった。

以上の“事実”を元に、ゲスの勘繰りを含めて、いくつかの“仮説”が浮かぶ。

☆角田裕毅の白線カットと300km/h近いクラッシュのペナルティが同じというのはいかがなものか。それも“レース終了までに消化すればよかった”ので、ハミルトンはタイヤ交換のピットの際にほとんどロスなく10秒を消化できた。10秒が“レース終了後まで”ではなく、“即座にピットインして”だったら、結果は違うものになっていたかもしれない。

☆接触前のハミルトンの“幅寄せ?”は、確かにマージンを残しているが、30km/hではなく300km/h近い、高速シルバーストンの中でも最速のコプス・カーブでマージンと言えるのか。

☆15万人近い観客の熱気が最高潮に達してスタートを見守っていた。仮にハミルトンにもっと厳しいペナルティを課せば“暴動”が起きかねないことが懸念された。おとなしく我慢する平均的な日本人とは違ってイギリス人は明確に意思表示をし、行動に移す傾向にある。育ちのいいジョンブルではなく観客の中のフーリガンといわれる層は、その行動が暴動に発展する可能性が高い。イギリスでは、サッカーで殺人事件が起きている。オフィシャルの裁定に、そうした懸念があっても不思議ではない。

☆ “遠慮”という感覚や、“そうまでして”という思考回路は、絆や仲良しが美徳の日本人とはまるで違う。うさぎがかわいそう、などと遠慮していたら、狼はうさぎはを食えない。“そうまでしても”やるときはやるのが狩猟民族のモーターレーシングの闘い方、というのがイギリス的思考回路だ。闘いの場で日本的な常識は通用しない!?

怪我人がでなかったのは本当によかったが、ぶつかるまではギリギリの正真正銘の高速バトルだったことに間違いない。残念なのは、高度なバトルではなく、ぶつかったことが末永く語り種になってしまったことだ。

[STINGER]山口正己
photo by PIRRERI

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