オコンの初優勝を支えた頂上バトル!!–F1第11戦ハンガリーGP
8月1日に30℃を越す灼熱のブダペストのオンガロリンクで行なわれた2021F1GP第11戦ハンガリーGPは、ドラマ満載の歴史に残る名レースだった。
スタート直前に雨がコースを濡らし、1コーナーで、ボッタス+メルセデスがフロントタイヤをロックさせ、前をいくノリス+マクラーレンに追突して赤旗中断。
再スタートでは、1周を終えたところで続々とピットインしてインターミディエイトからドライタイヤに交換、ハミルトン+メルセデスだけがグリッドからスタートする奇妙な光景となったが、1周を終えたところでピットインしたハミルトン+メルセデスは最後尾に落ち、そこから凄まじい追い上げを展開した。
レースは、アクシデントを避けたオコン+アルピーヌとフェッテル+アストンマーチンがリードする形で進み、寄進の追い上げを展開したハミルトン+メルセデスが3位に食い込んだ。
レースのハイライトは、追い上げてきたハミルトン+メルセデスとアロンソ+アルピーヌとのベテランのバトルだった。2人は、テクニックの粋を尽くしてサイドbyサイドのまさに真剣勝負を展開し、満員のスタンドを揺さぶった。
特に、40周目にトップの位置からピットインしたアロンソ+アルピーヌに追いついたハミルトン+メルセデスの攻防は見事だった。アロンソは巧みなディフェンスでハミルトンに手を焼かせ、結果としてチームメイトのエスティバン・オコンの初優勝をサポートすることになった。これがなければ、ハミルトンは、最後にオコンに追いついて逆転した可能性があった。
また、ファステストラップはスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがハミルトンから奪い取って、レースに華を添えた。
優勝したオコンは、「優勝は最高。チームにはありがとうしかない」と感激。「フェルナンドのお蔭でもある。一緒に仕事をしてフェルナンドは最高。一緒にチームをよくするために、いろいろ教えてもらって本当にいい人です」とコメントし、「明日の朝実家に帰って両親に優勝を報告します」と満面の笑顔で語った。
次の第12戦は、夏休みを挟んでスパ-フランコルシャンで行なわれるベルギーGP。8月27日金曜日にセッションが始まる。
[STINGER]山口正己
photo by ALPINE