タイヤから観たオランダGP byピレリ–2021F1GP第13戦
ザンドボールド・サーキットて行なわれた2021F1GP第13戦オランダGPは、オランダ出身のマックス・フェルタッペン(レッドブル・ホンダ)が、3種類の全コンパウンドを使用してホームグランプリを制した。タイヤ戦略が想像でき、チーム毎の駆け引きがよく見える手に汗握る面白いレースだった。
【キーポイント】
• レッドブルのマックス・フェルスタッペンが、全3種類のコンパウンドを使用する2ストップ戦略で、自身のホームグランプリで完勝しました。C3コンパウンドのP Zeroレッド・ソフトでスタートしたフェルスタッペンは、C2のP Zeroイエロー・ミディアムで第2スティントを走行し、C1のP Zeroホワイト・ハードでフィニッシュした。
• 2位を獲得したメルセデスのルイス・ハミルトンは、フェルスタッペンと異なる戦略を採用。ソフトでスタートしたハミルトンは、その後の2スティントをミディアムで走行し、レース終盤で、ソフトへ交換してファステストラップポイントを獲得した。
• トップ5の順位は、スターティンググリッドの順位通りでした。しかし、トップ6で5種類の異なる戦略が展開され、各チームによる戦略の多様性を示した。
• レッドブルのセルジオ・ペレスは、ただ一人ハードコンパウンドを装着してピットレーンからスタートし、ミディアム – ソフトと繋ぐ戦略で8位入賞を果たし、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれた。
• 1ストッパーと2ストッパーが混在した中、7名が2ストッパー。3ストッパーは、ハミルトンただ一人だった。
• 昨日までよりも高温のコンディションとなり、最高路面温度は32℃。
◆各コンパウンドのパフォーマンス
• ハード C1
フェルスタッペン優勝の鍵となった。また、多くのドライバーがファイナルスティントでハードを使用。数名のドライバーがハードで40周以上を走行した中、ウィリアムズのニコラス・ラティフィは47周を走行した。
• ミディアムC2
マクラーレンのランド・ノリスが、42周のオープニングスティントをミディアムで走行し、トップ3が第2スティントでミディアムを使用した。ハミルトンは、終盤までミディアムで記録したファステストラップを維持していたが、終了間際、ソフトに履き替えて、ボッタスが直前に記録したファステストラップを更新した。
• ソフト C3
大半のドライバーがソフトでスタート。メルセデスの両ドライバーは、
ファステストラップ・ポイントを確保すべく、終盤にソフトへ交換。ソフトのデグラデーションは想定内だったが、摩耗率は予測よりも高かった。
ピレリ F1およびカーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「我々が選択した全3種類のコンパウンドは、卓越した役割を演じ、改装されたエキサイティングなこのサーキットで数多くの戦略が有効であることを示しました」
「また、ドライバーたちは終始最大限にプッシュしていました。昨日までよりも高温のコンディションになったことで、タイヤへの負荷が大きくなり、最も硬い組み合わせを選択して正解だったと思います」
「レース前のロングラン機会が不足していたこともあり、摩耗率は予測よりも高くなりましたが、デグラデーションは想定内でした」
「終了間際にメルセデスがソフトへ交換する前まで、中古のミディアムタイヤはファステストラップを記録できる性能を示していました」
「熱狂のホームグランプリで優勝したマックス・フェルスタッペンとレッドブルを祝福します」
【STINGER】
photo by PIRELLI