タイヤから観たロシアGP
26日に決勝レースを行なった2021F1GP第15戦ロシアGPで、メルセデスのハミルトンが、ミディアム?ハード?ターミディエイトと回して優勝。F1GP通算100勝を達成した。
<キーポイント>
*4番グリッドからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが、Formula1通算100勝目を挙げ、チャンピオンシップ首位の座を奪還した。
多くのドライバー同様、2ストップ戦略を採ったハミルトンは、C4コンパウンドのP Zeroイエロー(ミディアム)でスタートし、27周目にC3のP Zeroホワイト(ハード)に交換、雨が降った終盤にCinturatoグリーン(インターミディエイト)を使用。その結果、マクラーレンのランド・ノリスを抜いてトップに立った。ノリスは、ポールポジションからスタート後、レースの大半でトップを走行していたが、インターミディエイトへ交換するタイミングが遅くなり、順位を落として7位でフィニッシュした。
*レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、20番グリッドからスタートして2位を獲得。ミディアム-ハードと繋いだフェルスタッペンは、雨の終盤にインターミディエイトに交換した。
*7名のドライバーがハードでスタート、他はミディアムでレースを始めた。雨が降り出す前まで、ドライバーたちは理論的に最速の戦略である「ミディアム ? ハード」もしくは「ハード ? ミディアム」の戦略を採っていた。
各コンパウンドのパフォーマンス
ハード C3
グリッド後方の多くのドライバーがオープニングスティントで使用。また、6番グリッドからスタートしたアルピーヌのフェルナンド・アロンソは6位でフィニッシュ。最後方からスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ハードでオープニングスティントを走行して2位を獲得。セルジオ・ペレス、ジオヴィナッツィ+アルファロメオ、アロンソの3名がハードで36周のオープニングスティントを走行。ハードは、レースを通して良好なウォームアップと確固たる一貫性を示した。
ミディアム C4
トップ5グリッドのドライバーを始めとして、多くのドライバーがミディアムでスタート。数台の左フロント・タイヤにグレイニングが発生したものの、ミディアムは良好な耐久性を示した。ノリスは、ミディアムで28周を走行してハードへ交換した。
ソフト C5
グレイニングが発生しやすい冷涼で「グリーン」な路面は、ソフトには不向きなコンディションだった。ソフトを使用したドライバーは、アルファタウリの角田裕毅のみで、角田はインターミディエイトへ交換する前の2周をソフトで走行した。
インターミディエイト
レース結果の鍵を握った。ハミルトンに代表されるように、雨が降り始めてすぐにインターミディエイトへ交換したドライバーたちは、最終数ラップで決定的なアドバンテージを得た。
ピレリ F1およびカーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「昨日のウェットコンディション後は、今日の最終数ラップまで雨は降りませんでしたが、その雨がレースを決定付けました」
「ドライバーたちは、スタート時のタイヤを自由に選択でき、未使用のスリックタイヤをフルに保有していたので、雨が降るまで最大限にタイヤを活用してドライコンディション下で走行することができました。スタート時、雨で『リセット』された路面はスライディングを誘発し、グレイニングを発生させましたが、後にグレイニングは解消されました」
「ハードタイヤの耐摩耗性能は、今日のコンディションに適しており、35周以上の長いスティントがいくつか見られました。また、ランド・ノリスは、ミディアムで28周を走行しました。しかしながら、勝敗を分
けたのは、インターミディエイトタイヤでした」
「最後の重要な局面で、ウェット予選での経験を活かしたチームがインターミディエイトの性能を最大限に引き出すことができました」