ホンダ、F1トルコGPに特別カラーで参戦
ホンダ勢4台が、日本GP向けに用意されていたスペシャルカラーで今週末のトルコGPを走る。
56年前の同じ10月に、高地メキシコ・シティで行なわれたメキシコGPで、リッチ・ギンサーのホンダRA272がF1GP初優勝を飾った。
ホンダは、他チームが高高度での燃圧調整に苦労する中で、飛行機で高高度の燃料調整の経験を積んでいた中村良夫監督が、その利点を活かして優勝したが、そのレースは、1500ccF1最後のレースだった。
今週末の10月10日は、元はといえば、鈴鹿サーキットで35回目の日本GPが行なわれる予定だった。コロナ禍にかき回された結果、鈴鹿の換わって第18戦としてトルコGPが行なわれることになったのだが、この日本GPは、2021年限りでF1活動を休止するホンダ最後のグランプリとなった。
どちらも最後という偶然に併せて、ホンダはレッドブル・レーシング・ホンダとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダに、やむなく中止を選択させられたホンダ最後の日本GPへの想いをカラーリングに託すことにした。
レッドブル・レーシング・ホンダのマシンは、1965年に初優勝を記録したホンダRA272を彷彿とさせるカラーリングになり、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのリヤ・ウィングには、“ありがとう”の赤い文字のメッセージが表現される。
レッドブル・レーシング・ホンダとスクーデリア・アルファタウリ・ホンダ、鈴鹿の日本GPの想いを載せたカラーリングの4台が走るトルコGPは、明日8日金曜日に開幕する。
レッドブル・レーシング・ホンダ・クリスチャン・ホーナー・チーム代表のコメント
「チームの全員が、我々とホンダの成功に満ちたパートナーシップを、日本のファンの皆さんと一緒にお祝いすることを本当に楽しみにしてきました。コロナ禍の影響で日本GPは中止となりましたが、だからといって、我々としてこのタイミングで何もしな いまま過ごすことはできませんでした」
「そこで、ホンダと、日本の素晴らしいファンの皆さんに対する感謝の想いを示すために、今回のイスタンブールにホンダF1のヘリテージを少しだけ持ち込むことに決めました。今回のマシンには、ホンダのF1での偉大な歴史へのオマージュを込めたカラーリングを施しました。この伝統のカラーリングとともに、今週末、ファンの皆さんにさらなる勝利をお届けできればと思って います」
フランツ・トスト・スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ代表のコメント
「今年、鈴鹿でレースができないこと、特にホンダにとってのラストイヤーで母国グランプリが戦えないことを残念に思っています」
「アルファタウリとしては、角田裕毅の初めての母国グランプリということで、いつも以上に日本GPを心待ちにしていました。ユウキが母国のファンの前で走る光景を見るのは、素晴らしいものになったに違いありません」
「また、鈴鹿は世界で最高のサーキットの一つですし、いつもエキサイティングなレースが行われ、日本のファンがユニークなスタイルで熱烈な応援を送ってくれるサ ーキットです。今回は本当に残念ですが、そういった光景はまた来年まで待たなければなりません」
「リアウイングの『ありがとう』のメッセージは、日本の素晴らしいファンの皆さんへの、我々からのささやかな感謝の印です。今週末のイスタンブー ルでのレースを楽しんでもらえればと思います」
本田技研工業株式会社渡辺康治執行職ブランド・コミュニケーション本部長のコメント
「今回の日本GPの非開催という決定は、状況を考えるとやむを得ないものではありますが、ホンダとしてラストイヤーにホーム・鈴鹿でレースができないことは、本当に残念に感じています」
「今年はレッドブル・レーシング・ホンダ、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダともにいいパフォーマンスを見せていることもあり、何としても鈴鹿サーキットでレースをしたかったというのが本音です」
「同様に、日本のファンの皆さまも、ホンダ勢の鈴鹿での雄姿と、角田裕毅選手の母国グランプリデビューを心待ちにされていたのではないかと思います」
「今回のスペシャルカラーリング、そしてリアウイングの『ありがとう』のメッセージは、どんなときでも熱い声援を送り続けてくれた皆さまに対する、ホンダと両チームから感謝の想いを込めたプレゼントです」
「皆さまの悔しい 想いを、ほかの何かをもって埋め合わせることは難しいかもしれませんが、今週開催されるトルコGPでは、この特別デザインを施された4台のマシンに皆さまの想いも乗せて、ともに戦いに挑むつもりです。残念ながら場所は鈴鹿ではありませんが、ホンダ勢 の走りを存分にお楽しみいただけますと嬉しく思います」
【STINGER】
photo by Honda