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ホンダのメキシコGP–2021F1GP第18戦メキシコGP

今では考えられない1965年の草地のパドック!!

シーズンは残り5戦、今週末のメキシコ・シティのエルマノス・ロドリゲスのメキシコGPから、今季3度目の3連戦が始まる。

最初のメキシコGPは、ホンダにとって特別なレース。1965年、ホンダがF1GPに挑戦を開始した2年目の第7戦で、記念す武器初優勝を達成している思い出のコースだからだ。

メキシコ・シティは、海抜2300mの高地にあり、空気密度が下がってエンジン・パワーがダウンする。その状況に対して、チームを率いる中村良夫監督は、第二次世界大戦中に航空機で培った高高度のノウハウを総動員して燃料のセッティングを行ない、それが功を奏して、リッチー・ギンンサーが、ロータスのジム・クラークとブラバムのダン・カーニーに続く予選3位から優勝、19台出走で12台がリタイアする厳しいレースで、僚友のロニー・バックナムも5位に入る活躍を見せた。

エルマノス・ロドリゲスは、スペイン語で“ロドリゲス・兄弟”の意味。メキシコを代表するF1ドライバーのペドロ/リカルド兄弟は、ともにF1GPや当時F1以上に高度な闘いだったスポーツカー耐久レースで活躍、兄のペドロは、フォードでルマン24時間、ポルシェでデイトナ24時間で優勝。昨年セルジオ・ペレスが優勝するまで、メキシコ人で唯一のF1ウィナーだった。

弟のリカルドは、兄よりも才能が上といわれ、フェラーリでのデビューレースである1961年イタリアGPでいきなり2位に食い込んだが、翌1962年、ノンタイトル戦のメキシコGPのアクシデントで他界する悲劇の運命をたどり、兄のペドロも、ポルシェのエースとして917で活躍したが、フェラーリ512Mで参戦したインターセリエのアクシデントで他界した。

リカルドの死を受けて“リカルド・サーキット”と命名されていたサーキットは、ペドロの悲劇の後、エルマノス・ロドリゲスと兄弟を讃える名前に名称変更された。

メキシコGPは、1963年に初めてF1GPが行なわれ、その後1970年まで続き、1986年に復活、7年間続いた後に再び中断となり、2015年に再復活、経済状況を反映する苦難の道を歩んできたが、去年は他のGPとともにコロナ禍のために開催を見送って今年を迎える。

【STINGER】
photo by Honda

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