フェルスタッペン2位、ペレス4位–ホンダのカタールGPby田辺TD
2021F1GP第20戦カタールGPは、22日17時にスタートしてトワイライトの決勝レースを行ない、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペンが7番手から追い上げ、2位表彰台とファステストラップを獲得した。
フェルタッペン+レッドブル・ホンダは、前日土曜日の予選中のイエローフラッグ無視の規則違反で5グリッド降格ペナルティーを受けて7番手からスタートしたマックス・フェルタッペンが果敢な走りで2位表彰台を獲得、最終ラップにファステストラップを記録した。
セルジオ・ペレス+レッドブル・ホンダも、11番手か ら4位入賞、レッドブル・レーシング・ホンダがコンストラクターズポイントでメルセデスに5点差に詰め寄った。
3番手のバルテリ・ボッタス(メルセデス)にもシングルイエローフラッグ無視によ る3グリッド降格の裁定を受け、上位グリッドは大きく入れ替わり、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーがフロントローの2番手からスタートした。
スタート後のターン1でガスリーが2番手を守ったが、直後にアルピーヌのフェルナンド・アロンソに交わされ3番手に後退。7番グリッドから抜群のスタートを見せたフェルスタッペンは、ターン1で4番手まで 浮上。3周目にガスリーの前に出ると、その次の周にはアロンソも攻略して2番手に躍進する。
11番手スタートのペレスも1周目で9番手まで浮上し、8番手の角田裕毅をターン4でオーバーテイク。さらに、その次のターン1でカルロス・サインツ(フェラーリ)、さらにその翌周にアルピーヌのエステバン・オコンを立て続けにパス。9周目 には6番手まで順位を上げた。
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの二人は、ソフトタイヤに苦しみ、角田が9周目、ガスリーが13周目にピットインしてタイヤを交換。その後はトラフィックに阻まれて順位を上げられない展開となった。
16周目、ペレスがランド・ノリス(マクラーレン)をオーバーテイクして4番手に順位を上げ、その次周にフェルスタッペンがピットインしてミディアムタイヤに交換。ペレスも続いて19周目にピットストップ。これでフェ ルスタッペンは2番手を確保。ペレスは前を行くマシンをオーバーテイクしながらレースを進め、フェラーリのシャルル・ルクレールを交わしてアロンソとのバトルに持ち込み、ターン1から2にかけてのサイドbyサイドを制して4番手まで浮上した。
33周目にボッタスが左フロントタイヤをパンクさせてピットインしてペレスは3番手に。多くのチームが1ストップ作戦の気配を見せていたが、序盤にピットインしたスクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台はガスリーが35周目、角田が36周目に2度目のピットストップを行なった。
フェルスタッペンとペレスも、41周目に2度目のピットイン。フェルスタッペンは2番手のままレースを進めたが、ペレスは7番手でコースに戻り、再び順位を上げていった。
ペレスは残り11周でアストンマーチンのランス・ストロールを交わし、次の周にはターン1のアウト側からオコンをオーバーテイク。さらに、その前にいたノリスがピットインしたため、4番手まで上昇。表彰台を目指して前を行くアロ ンソを追い上げていたが、バーチャルセーフティカーが発動。最終的に3位のアロンソの約3秒差に詰め寄ったが4位でゴール、12ポイントを獲得した。
フェルスタッペンは、VSCの間にソフトタイヤに交換し、最終ラップにファステストラップを記録し、1ポイントを加え、2位の18ポイントと併せて19ポイントを獲得、計31ポイントなったレッドブル・レーシング・ホンダは、コンストラクターズチャンピオンシップで首のメルセデスと5ポイント差に迫った。
また、フェルスタッペンはハミルトン+メルセデスと8ポイント差で、ドライバーズチャンピオンシップをリードしている。
スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ勢は、1ストップ勢を追いきれず、ガスリーが11位、角田が13位でフィニッシュ。予選2位と8位をポイントにつなげることができなかった。
2週間後の第21戦サウジアラビアGPは、首都ジェッダの市街地コースで、カタールに続いてF1初開催。12月5日(日)に決勝レースが行われる。
ホンダF1レーシング田辺豊治テクニカルディレクター
「カタールGP決勝は、オーバーテイクの多いエキサイティングなレースになりました」
「レッドブル・レーシング・ホンダの2台は多くのオーバーテイクを見せ、予選中のペナルティーで7番手スタートとなったレッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペンが大きくポジションを上げて2位表彰台、ペレスも11番手から4位に入賞。現状の我々のパフォーマンスを最大限に引き出せたレースだったと考えています」
「スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリーは、予選上位ドライバーのグリッド降格で2番グリッド、角田は予選ポジションから変わらず8番グリッドからスタートしましたが、残念ながらレースペースが上がらず、2台ともにポイント圏外で終わり、昨日までの速さを考えると非常に残念な結果になりました」
「簡単な週末ではありませんでしたが、あと2戦のところでドライバーズチャンピオンシップのリードを保ち、コンストラクターズチャンピオンシップもトップとの差を詰められたという部分で、大きな意味があったと感じています」
「チームとともにシーズンを振り返り、パフォーマンス向上のために我々として何ができるのかをじっくりと考えて、また十分に準備をして残りの2連戦に臨みます」
「最後に、ベテランらしい素晴らしい走りで7年ぶりの表彰台を獲得したかつてのチームメイト、アロンソ選手におめでとうの言葉を贈ります」
【STINGER】
photo by Honda