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気になるプジョー9X8

今は何も見えない。が、プジーョ・スポールのサイトの扉鋸の写真。なにやらヒントな見せ方。

2022年から新たな車両規則が採用されるのはF1だけではない。WECマシンも、“ハイパーカー”と呼ばれる次世代マシンで闘われることになる。

すでにトヨタがGR010と呼ばれるハイパーカーをとっくに公開しているが、WECに復帰するプジーョの『8X9』という目新しいコードネームのハイパーカーは、実に不気味で挑戦的なスタイルに見える。

挑戦的に見える最大のポイントは、“WING LESS”つまり、ウィングがない、ということだ。最近のレーシングカー、とくにハイエンドのF1やWECで、ウィングがないといえば、2002年にルマン24時間を走ったデルタが思い浮かぶが、常識的にウィングは必需品として理解されている。

しかし、こちらのビデオ後半の走行シーンからも『8X9』にはウィングが見当たらない

ウィングがない!!

ダンウフォースは必要不可欠な要素なので、何らかの形で下向き揚力を発生させているはずだが、ウィングのないボディ表面には、必要にして十分なダウンフォース獲得法が見当たらない。

ボディ下面をベンチュリー形状にした“ベンチュリー・システム”か、最近ゴードン・マーレイが『T50s ニキ・ラウダ』で復刻させた、掃除機のように空気を吸い込む“サッカーカー”のような新しい何かが隠されているのだろうか。

ところで、トヨタはWECの王者として君臨しているが、実のところ、鬼の居ぬ間の洗濯だったという見方もある。トヨタが買った舞台には、アウディも、そしてプジョーもいなかった。プジョーが復帰する2022年は、トヨタにとって、正念場ということだ。

王者トヨタのハイパーカーは、普通にリヤウィング着き。

リヤウィングの有無だけでマシンのポテンシャル総てが決まるわけではない、という声も聞こえるが、いやいやどうして、今年のWECは、凄まじく面白くなりそうだ。

[STINGER]山口正己
photo by GAZOO RACING

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