レッドブルの1-2とノリス+マクラーレンの殊勲–2022F1GP第4戦エミリア・ロマーニャGP
トト・ウルフが、チェッカードフラッグを受けたハミルトンに、「速いクルマを与えられなくてゴメン」と謝った。ハミルトンは、冷静に、「頑張ろう」と返信。7度のワールドチャンピオンの誇りを保った。
シャルル・ルクレールが「ゴメン」、とチーム無線で伝え、スタンドは熱狂のやり場を失った。
2022F1GP第4戦エミリア・ロマーニャGPは、マックス・フェルタッペンのレッドブルが、フェラーリとメルセデスをまったく寄せつけずに優勝、2位にチームメイトのセルジオ・ペレスが続き、レッドブルがフェラーリのお膝元で1-2を飾り、マクラーレンのランド・ノリスが、フェラーリ陣営の落胆を余所に、殊勲の3位に食い込んで満面の笑顔を表彰台で振りまいた。
レースはウェット路面の中、全車インターミディエイトでスタート。マックス・フェルタッペンがダッシュを決めて2番手のシャルル・ルクレール+フェラーリの前に出た。ルクレールはスタートを失敗してセルジオ・ペレスにも出し抜かれ、63周レースの最後まで続いたラインだけが乾いたリスキーな状況の中でレッドブルが1-2をキープした。
フェラーリのお膝元のイモラ。このコンディションの中で磐石の闘いを進めたレッドブルに対して、フェラーリは、悪夢のレースになった。
まず、スタートでカルロス・サインツが、バリテリ・ボッタス+アルファロメオに追突されたダニエル・リカルドタスマクラーレンに押されてスピン。サンドトラップにはまって、真っ赤なスタンドの悲鳴の中でレースを終えた。
残ったシャルル・ルクレールは、ティフォージの声援の中を3位でラップを重ねていたが、タイヤ交換の後にスピン。バリアにマシンを接触。アクシデントとしては大きくなかったが、ピットインしたルクレール+フェラーリは、チームとスタンドに大きなショックを与えることになった。
最悪のシナリオでレースを終えたフェラーリは、それでもシリーズポイントでレッドブルをリードしている。とはいえポイント差は、フェラーリ=124/レッドブル=113と大きく縮まり、75周年のマラネロにさらなるプレッシャーを与えることになった。
次回のF1GP第5戦は、初開催のアメリカGP。マイアミの新市街地コースで、5月6日-8日に行なわれるが、アメリカはフェラーリ最大のマーケット。さらにプレッシャーが大きくなる中で、跳ね馬がどう対応するかが注目される。
角田裕毅+アルファタウリは、果敢に攻めながらも安定した走りで7位。最後にルクレール+フェラーリに抜かれたが、週末のすべてをチームメイトのピエール・ガスリーに先んじ、上出来のレースを闘った。
2022F1GP第4戦エミリア・ロマーニャGP結果
1. フェルタッペン+レッドブル
2. ペレス+レッドブル
3. ノリス+マクラーレン
4. ラッセル+メルセデス
5. ボッタス+アルファロメオ
6. ルクレール+フェラーリ
7. 角田裕毅+アルファタウリ
8. フェッテル+アストンマーチン
9. マグヌッセン+ハース
10. ストロール+アストンマーチン
11. オコン+アルピーヌ
12. アルボン+ウィリアムズ
13. ガスリー+アルファタウリ
14. ハミルトン+メルセデス
15. 周冠宇+アルファロメオ
16. ラティフィ+ウィリアムズ
17. シューマッハ+ハース
18. リカルド+マクラーレン
—-以下、リタイア
19. アロンソ+アルピーヌ
20. サインツ+フェラーリ
[STINGER]山口正己
photo by formula1.com / McLaren