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タイヤから見たモナコ–タイヤ戦略がウェットから徐々に乾いていく路面で重要なカギを握った

セルジオ・ペレスが、チームの戦略のサポートの中で完璧なタイヤ・マネージメントをなし遂げて伝統のモナコで初優勝した。

今回のレースほど、タイヤの役割が際立ったレースはないかもしれない。優勝したセルジオ・ペレス(レッドブル)は、スタート前の雨が濡らしたコースで、背後に迫ってきたシャルル・ルクレール(フェラーリ)の追撃を受け、ぎりぎりの走りの中でフロント・タイヤをロックさせフラットスポットの影響が懸念されたがトップでチェッカーを受けた。ペレスは、フルウェット-インターミディエイト-スリックタイヤとつないで混乱のモナコを制した。

雨の予報は結果として外れたが、レース終盤に雨の可能性を否定できない状況の中でレースは進み、各チームのタイヤ戦略と交換のタイミングがドラマを盛り上げた。

◆各ドライバーのタイヤストーリー

• 公国のグランプリは、ウェット路面でスタートし、徐々に乾いていくコンディションの中、懸念された雨は降らず、フルウェット、インターミディエイト、スリックの 3 種類のタイヤが使用される混乱のレースになった。3番グリッドからスタートしたレッドブルのセルジオ・ペレスが、3種類のタイヤを使用して優勝。天候の変化が非常に激しいコンディションの下、戦略が中心的役割を担った。レースは酷い雨で中断され、その影響で予定の77周を走れず時間切れ。64周で終了となった。

• セーフティーカーと赤旗中断が、乾いていく路面での戦略にさらなる複雑性を加えた。セーフティーカー先導でのレース開始時のレギュレーションで全車がフルウェットタイヤで、スタート大きく遅れたレースをスタート。路面が乾くにつれて、多くのドライバーがインターミディエイトに交換。最初のピットストップのタイミングが、最終的な順位に大きな影響を及ぼした。

• スタート直前の豪雨で、前日までよりも大幅に気温が下がり、気温 21°C、路面温度 31°Cのコンディション下でレースがスタートした。ドライバーとチームは、変化するコンディションへの対応が必要になり、フルウェットから交換するタイヤをインターミディエイトにするのか、スリックタイヤにするのかの選択を迫られた。

• レース後半に発生した赤旗中断で、ピットレーンでのタイヤ交換が可能になり、再開後はスプリントレースの様相を呈した。

◆コンパウンドの違い


• ハード C3
複雑なコンディション下で良好な性能を示し、レースにおける重要なタイヤとなった。完走したうちの7名が、20周前後に、フィニッシュまで走り切ることを狙いフルウェットからハードにへ交換した。
• ミディアム C4
グレイニングが発生しやすい状況だったものの、新品タイヤのメリットを活用すべく、多くのドライバーがファイナルスティントで使用しました。
• ソフト C5
今日のコンディションでの使用には適さなかったことから、レースで使用したのはアルファタウリの角田裕毅のみ。角田は、ハード、ミディアム、ソフト、インターミディエイト、フルウェットのレースで使用可能なすべてのタイヤを使用した唯一のドライバーだった。
• インターミディエイト
レースの鍵を握った。序盤、早めにインターミディエイトに交換したアルファタウリのピエール・ガスリーが、その時点のファステストラップを記録し、多くのチームがインターミディエイトへに交換。16 周目にインターミディエイトに交換したペレスは、ライバルたちよりも長いスティントをインターミディエイトで走り、トップに立った。
• フルウェット
豪雨のコンディション下、全ドライバーがスタート時にフルウェットを装着しました。レーシングラインが急速に乾いていく中、フルウェットとインターミディエイト(およびインターミディエイトとスリック)のクロスオーバーポイントを読むことが重要な要素だった。

 

マリオ・イゾーラ・ピレリ・モーターレーシング・ディレクター
「変化する状況に最善の対応を行ない、戦略が鍵を握ったモナコでも屈指の予測不可能なレースでした」

「土曜日までの晴天からの天候の変化が、比較的シンプルだったレース戦略に多くの複雑な要素を加えました。気温よりも明らかにクロスオーバーポイントに影響を及ぼした滑りやすい市街地コースのアスファルト上で、フルウェットから交換するタイミングや、交換するタイヤの選択が極めて重要となりました」

「さらに、セーフティーカーや赤旗による多くの予測不能な要素が加わり、各ドライバーが保有するタイヤの状況を踏まえつつ、より迅速な決断をすることが各チームにとって不可欠となりました」

「ファイナルスティントでミディアムを使用したペレスの決断は、終盤のタイヤマネージを必要としたものの、ハードを使用したカルロス・サインツを抑えた優勝に貢献しました。レースでは、使用可能な全てのF1タイヤが登場しました」

「シーズン中で最もタイトで距離が短いトラック上で、コンディションとクロスオーバーポイントが見えにくい中、タイヤは良好な性能を示していました」

【STINGER】
photo by PIRELLI

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F1 ポイント・ランキング

F1ドライバーズ・ポイント
1位マックス・フェルスタッペン491ポイント"
2位セルジオ・ペレス240ポイント
3位ルイス・ハミルトン220ポイント
F1 コンストラクターズ・ポイント
1位レッドブル・レーシング860ポイント
2位メルセデス409ポイント
3位フェラーリ406ポイント

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