ロバンペラ今期5勝目、エバンス連続2位–WRC第7戦ラリー・エストニア最終日
7月17日(日)にタルトゥを起点とする最終日を迎えた2022年FIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・エストニアで、ロバンペラ/ハルットゥネン組 のGRヤリス・ラリー1ハイブリッドが優勝、エバンス/マーティン組が総合2位を獲得。トヨタ・ガズー・レーシング・ワールド・ラリー・チームが1-2フィニッシュを決めた。
トヨタ・ガズー・レーシング・チーム・Next Generationの勝田貴元は、総合5位を獲得した。
雨の中で始まった最終日は、終盤にかけて雨足が強まり、出走順が遅くなる総合順位が上位ドライバーに不利な路面コンディションで進み、トップ5タイムにボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」の最終ステージのSS24は雨が強まり、ローパワーながら軽量なRally2車両のタイムを、Rally1勢が更新できない状況だった。
天候が徐々に好転し、エバンスの出走前に太陽が姿を出してタイムを更新したが、続いてスタートしたロバンペラが22.468秒も上まわるベストタイムを刻んで今シーズン5回目の優勝を手にした。
GRヤリス・ハイブリッドが、24本ステージ中、短距離の1.66kmのスーパーSS2本以外の22本のステージで最速を記録し、ロバンペラがドライバー選手権首位の座を守り、トヨタ・ガズー・レーシングは2位のヌービル組のヒュンディとの差を83ポイントに拡大。エバンスは、シーズン3回目の2位とパワーステージでのポイントで、ドライバー選手権で6位から3位にポジションを上げ、トヨタ・ガズー・レーシングは、マニュファクチャラー選手権の首位を堅持。2位のティエリー・ヌービル(ヒュンデ)との差を87ポイントに拡げた。
開幕戦からの連続ポイントの勝田貴元は、パワーステージで5番手タイムを記録、総合5位で走り切り、獲得記録を「7」に伸ばした。
勝田にとってエストニアは、「何かが起きてしまう場所」(豊田章男社長)だったが、今回は、5位の好結果。「シェイクダウンで、早めにそれを済ませてくれました(笑)」と章男社長はジョークで続け、クルマを修復したメカニックたちに感謝を伝えた。
全13戦で行われる2022WRCは、エストニアが折り返し戦。後半戦はトヨタ・ガズー・レーシングのホームのフィンランドから始まり、ラリー・ジャパンまで続く。
2022WRC第7戦ラリー・エストニア結果
1. カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン トヨタGRヤリスRally1ハイブリッド 2時間54m29秒0
2. E.エバンス/S.マーティン トヨタGRヤリスRally1ハイブリッド +1分00秒9
3. O.タナック/M.ヤルヴェオヤ ヒュンデi20N Rally1ハイブリッド +1分55秒7
4. T.ヌービル/M.ヴィーデガ ヒュンデi20 N Rally1 ハイブリッド +3分53秒3
5. 勝田貴元/A.ジョンストン トヨタGRヤリスRally1ハイブリッド +4分13秒4
6. E.ラッピ/J.フェルム トヨタGRヤリスRally1ハイブリッド +4m49.1s
7. A.フォルモー/A.コリア フォード・ピューマRally1ハイブリッド +5分09秒2
8. A.ミケルセン/T.エリクソン シュコダ・ファビアRally2evo +11m01秒8
9. T.スニネン/M.マルックラ ヒュンデi20N Rally2 +11分27秒1
10.E.リンドホルム/R.ハマライネン シュコダ・ファビアRally2Evo +13分04秒8
WRC次戦は、2週間後の8月4日-7日に、フィンランドのユバスキュラを中心に開催されるハイスピード・グラベル(未舗装路)の『ラリー・フィンランド』。昨年の秋開催から本来の夏季開催に戻る。トヨタ・ガズー・レーシング・ラリー・チームの前線基地がサービスパークに隣接したホームイベントに向けて、チームは、2017年以降4大会連続のGR YARIS Rally1 HYBRIDの優勝記録更新を目標にしている。
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photo by GAZOO RACING