群れから抜け出すのはどこ!?
セカンドグループの戦いも2023年の大きな焦点だが、レッドブル、フェラーリ、メルセデスに続くのは、どこか。
まず、注目したいのはスイスのザウバーだ。ザウバーは現在、アルファロメオとしてF1に参戦しているが、アルファロメオとの契約は2023年一杯で終了、2026年からは、F1に参入するアウディのワークス・チームになることになっている。
そして、ここでキーになるのは、ザウバーに移籍するアンドレアス・ザイドルだ。
ザイドルは、マクラーレン代表就任前に、アウディと同じフォルクスワーゲン・グループ傘下のポルシェでFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1プロジェクトを指揮し、さらにそれ以前にザウバーでF1エンジニアを務めていた。つまり、移籍というより復帰と言った方がいい。勝手知ったる古巣への復帰は小さくない意味がある。
そのザイドルの跡を継いで、アドレア・ステラがマクラーレンのチームプリンシパルに昇格するのも大きなポイントだ。
ステラは、2015年に、14年間在籍したフェラーリから、エンジニアとしてマクラーレンに移籍し、エグゼクティブディレクターを努めていた。
ステラを迎えるマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、「ステラは以前からチーム代表の第一候補だった」とコメントし、以下のように続けた。
「アンドレアス(ザイドル)は、いい仕事をしてくれていたが、次のビジネス・チャンスに向けての方向転換ために体制を強化し、ステラが加わる中心メンバーと今後を考えていきたい」。
一方で、ザウバーのCEOに就任するザイドルは、実はザウバーで、F1だけでなくテクノロジービジネスも統括する。
「1月からザウバー・グループに参加できるのは素晴らしいことだ」とザイドル。
「ヒンウィルのチームは、F1での歴史が長い。そこで4年間働いていたので、チームの様子はよく分かっている。ザウバーの仲間たちと野心的な目標を目指すのを楽しみにしている。声をかけてくれたフィン・ラウジング・ザウバー会長とザウバー・グループのメンバーの信頼に感謝し、恩返したいと思う」と期待のコメントをしている。
アンドレアス・ザイドルは、メーカー側とF1チーム側で経験を積んでいる。その“事情”を知っていれば、大きなポテンシャルが加わるザウバーに、ザウバーの本拠地であるスイスのヒンウィルのメンバーと同じように、期待をかけかくなるのは、当然の既決になる。
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