アルファタウリが期待できるこれだけの理由
2022年シーズン、10チーム中9番手に終わったアルファタウリは今年、ピエール・ガスリーに代わってニック・デ・フリーズが加入して角田裕毅のチームメイトになるが、躍進の理由がいくつかある。
まず、2023年用のAT04は、2022年バージョンのAT03とほとんど一緒。それでは進化がない、とも言えるが、逆に1年間熟成されたマシンという見方もできる。競合するハースやアルファロメオに比べて変化が少ないということは、少なくともシーズン序盤は“熟成されたマシンで闘える”ということを意味している。
とはいえ、サイドポンツーンの形状など、要の部分の改良は施されており、ボディ後半部分の空気の流れが整理され、ダウンフォースをより効率的確保されていると見られる。
ちなみに、テクニカル・ディレクターのジョディ・エギントンは、「前輪とフロアインレットの間の距離を長くすることが、コーナーリング中の空気の流れを安定させて空力バランスを改善するキーになる」とコメントしていたが、2023年のAT04は、その方向で設計されたことを伺わせる精悍なシェイプ。これはまだダミーの可能性もあるが、カラーリングの進化は、スポンサーの安定を裏付けることから、ポテンシャルアップは間違いないところだ。
シリーズ9位のブービー賞に甘んじたアルファタウリが、2023年にどんな戦いを見せるのか。角田裕毅の活躍に期待を掛けて注目しておきたい。
[STINGER]山口正己
Photo by ALPHATAURI