正式発表!–2026年からアストンマーチン・アラムコ・ホンダ発進
本田技研は5月24日11時から会見を開き、2026年から『アストンマーチン・アラムコ・ホンダ』として、新たな形でのF1活動を行なうことを発表した。
2026年からのFIAの規則変更が、Hondaのカーボンニュートラルの方向性に合致し、実現に向けた将来技術の開発に大きな意義を持つことから、参戦が決定した。
会見には、本田技研工業から三部敏宏取締役代表執行役社長と渡辺康治ホンダ・レーシング(HRC)代表取締役社長と共に、アストンマーチン・アラムコ・ホンダのマーチン・ウィットマーシュ代表が登壇、新たなF1活動について語った。
三部社長は、先週予定されていたエミリア・ロマーニァGPが洪水のために中止になったことに触れ、“新たなイモラで再びF1が行なわれることをお祈りする”と前置きして、ホンダとしての新たなF1活動の展開として、「2026年にパワーユニットのサプライヤーとして参戦する」とコメント。以下のように続けた。
「ホンダは1959年のマン島TTレース以来、世界のレースの舞台に参加することで技術と人を育て、磨き上げた技術を量産車に反映してきた」
「第4期といわれる活動を2020年に休止を発表し、関連していたリソースを量産車に移管してその効果を上げてきたが、FIAが打ち出した2030年からのカーボンニュートラルへの対応と電動化への方向転換が、ホンダの考えと同じであることを確認し、レッドブル・パワートレインズへの技術貢献を行なってきたが、現在のF1エンジンが、800馬力のうちモーターの受け持ちが20%弱のところが50%に変更されることから、小型軽量という量産車への研究開発に役立つと考えた」
「2026年からの新規則によって、F1への参戦メーカーが増え、ホンダと同じマインドを持ち、新施設や2021年の参戦以来安定した成績を残しているアストンマーチンと組む決断をした」
渡辺HRC社長は、「2022年11月に製造登録をしていたが、その時は“登録だけでも”と考えていたが、ホンダの登録を知った多くのチームから打診があった。そこに到る議論の中にアストンマーチンも入っていて、新しいガレージも訪問し、そこで働く人、物が素晴らしいことを確認していた」
「これまで、F1に参戦していることをブランディングやマーケティングに活かせていなかったが、F1活動を通してブランドを高めていきたいと考えている。マーケティングについては、今後、アストンマーチンとともに考えていきたい」。
これに呼応して三部社長も、「第4期は、第3期からの7年間の空白の間、開発を停止していたためにリカバリーに時間がかかった。その経験から今回は、要素技術の研究開発を進めていた。2026年の復帰初年度から勝てる態勢にしたい」とコメントした。
マクラーレンの代表として、10年前の2012年にホンダで会見を行なったアストンマーチン・パフォーマンス・テクノロジーズのマーチン・ウィットマーシュ・グループCEOは、「ホンダとの“再婚”を前にワクワクしている。1989年のマクラーレン・ホンダの活躍を見て、ホンダの勝利へのパッションの素晴らしさを知って憧れを持っていたので、再びこの場に座れてとても嬉しい」と笑顔を見せた。
また、会見に参加するために来日したアストンマーチン・アラムコ・ホンダのローレンス・ストロール代表は、「アストンマーチンは120周年を迎えるが、アメリカの“フォーミュラワン”が主導をとってから、北米のF1ファンは2年間で16億人に増加した。ホンダの経験をと知見は、アストンマーチンとピッタリとフィットしている」とコメント。ホンダとのコンビネーションに期待を寄せた。
[STINGER]山口正己
Photo by HONDA