最高のモナコGP!
予選からハイレベルのバトルを展開し、F1GPのクォリティを改めて証明していたモナコGPは、途中から雨がコースを濡らした決勝レースでも、F1GPらしいスペクタクルな舞台だった。
結果から見れば、フェルスタッペン+レッドブルが完全に制圧したレースだったが、そのフェルスタッペンも「途中からタイヤのグレイニングの問題で苦労した」と波乱のレースを振り返った。
他のドライバーにとっても、終盤にヘアピンを中心に局地的に降った雨がタイヤ選択に微妙に影響し、どう転ぶか分からない状況になった。
フェルスタッペン+レッドブルがアロンソ+アストンマーチンに9秒の差を着けてトップを快走、地元のルクレール+フェラーリが3番手に続いていたが、雨で混乱したチームがピットインのタイミングをうまくルクレールに伝えられず、チームメイトのサインツのピット作業を“見物”させられる事態となって遅れる場面もあった。
夕方遅めのタイミングと予報されていた雨が予報より早く降り始めたのは、78周レースの50周辺り。この雨が、微妙な振り方だったことで、インターミディエイトかミディアムかの適切なタイヤの見極めが微妙な状況になり、コース上は混乱の極みとなった。
マグヌッセン+ハースが1コーナーを曲がれずスピン。サージェント+ウィリアムズもヘアピンでスピン。ペレス+レッドブルがウェットに履き替えたが、ラッセル+メルセデスに追突され、ラッセルはペナルティを受け、チームメイトのハミルトンがプールサイド出口の立ち上がりでフラつき、フェルスタッペン+レッドブルも滑りまくる路面状況でレースは終盤を迎え、タイヤ交換のタイミングを巧みに組み立て、オコン+アルピーヌが表彰台を引き寄せた。
オコンは、アルピーヌの50戦目の記念すべきレースで、2020年ハンガリーGP優勝以来の表彰台に立った。
フェルスタッペン(ウィナー)
「ドライビングはトリッキーだった。終盤、タイヤにグレイニングが出ていたので難しかった。何度か壁を擦ったけれど、モナコだからね。トンネルのところはかなり攻めたよ。今日のような天候で勝てたのは嬉しい」
フェルナンド・アロンソ(2位)
「ハードでスタート後のターン1は厳しかった。マックスが順調に行っていたので、楽ではなかった。フルパワーとブレーキング、ターン5と10が厳しかった。あんな状況だったのに、セフティカーがなかったのは驚きだよ。みんな頑張ったね」
エスティバン・オコン(3位)
「ポーディアムだよ! スーパーな週末だった。フリー走行からずっと、大きなミスなく、インターに変えてからもミスなくできた。今日はたくさん呑みたい。チームをドキドキさせることもなかったからね」
オコンは、アルピーヌの50戦目を表彰台から祝った。
【STINGER】
Photo by ALPENE