ラリー･ジャパン、トヨタがトップ3独占–勝田貴元5位の殊勲！
歓迎ムードの中で4日間が進んだ。
2023年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦『ラリージャパン』が19日に4日間のステージを終え、トヨタが1-2-3を独占、勝田貴元も5位に入って地元の声援に応えた。
11月19日（日）のデイ4は、愛知県豊田市の「豊田スタジアム」を基点に行われ、トヨタ･ガズー･レーシング－ワールド･ラリーチームのエルフィン･エバンス／スコット･マーティン組のGR YARIS Rally1 HYBRIDが優勝。2位にセバスチャン･オジエ／ヴァンサン･ランデ組、カッレ･ロバンペラ／ヨンネ･ハルットゥネン組 が3位で表彰台を独占した。
また、TGR WRCチャレンジプログラムにより出場の勝田貴元／アーロン･ジョンストン組（18号車）は、前日の総合6位から、総合5位にポジションを上げてラリーを終えた。
最終日デイ4は、愛知県と岐阜県でSS17/22「アサヒ･コウゲン」、SS18/20「エナ･シティ」、SS19/21「ネノウエ･コウゲン」の6本のステージが舞台。SSの合計距離は84.08km。移動区間を含める総走行距離286.95kmで戦われた。
早朝は、ウェット路面交じりで滑りやすいコンディション。路肩には昨夜の降雪が残るトリッキーなコンディション。デイ2でエバンスを先頭に1-2-3を築き、デイ3でもトップ3を守り続けたTGR-WRTトリオは、安定した走行を継続し、エバンスは総合2位のオジエとのリードをさらに拡げ、1分17.7秒差をつけてシーズン3勝目を記録。
エバンスとマーティンはドライバー/コ･ドライバー選手権2位でシーズンを締めくくった。TGR-WRTは今期13戦のうち9戦で優勝、すでに第11戦「ラリー･チリ」でマニュファクチャラーズタイトルを決め、第12戦「セントラル･ヨーロピアン･ラリー」では、ロバンペラとハルットゥネンが2年連続のドライバーズ/コ･ドライバーズ･タイトルを手にしていた。
ロバンペラは、フルデイ初日の金曜日に先頭走者として落ち葉や落ち枝を掃き飛ばしながらの走行となってタイムロスを強いられたが、今期3勝目、シーズン8回目の表彰台を得た。
4台目のGR YARIS Rally1 HYBRIDで出場した勝田は、デイ2でのスピンで大きく遅れたが、連続ベストタイムで挽回。総合6位で最終日をスタートし、オープニングステージのSS17で2番手タイム、SS18と19ではベストタイムを連発してオィット･タナック（Mスポーツ･フォード）を抜いて5位に食い込んだ。
勝田はさらに4番手をターゲットにプッシュを続け、SS21で9回目のベストタイムを記録。総合4位浮上は叶罠買ったいませんでしたが、最多のベストタイムを連発して総合5位でフィニッシュ。ドライバー選手権7位で2023年シーズンを締めくくった。
豊田 章男 (トヨタ自動車株式会社 取締役会長として)
「日本らしく改善を重ねてラリーという文化を育みたい」、
「日本の秋に欠かせない風物詩になってほしい」。
昨年、私が願ったこれらをすべて叶えていただいたラリージャパンでした。
一番は、豊田スタジアムがSSになったこと。
「あの走りを間近で見れる」、「あれだけ多くのファンの前で走れる」という、ファンにとってもドライバーにとっても、エキサイティングでアメイジングなラリーになりました。
ラリーカーの迫力が子供たちの記憶にも刻まれたことと思います。カッレ、エルフィン、貴元、そしてヤリ-マティは、子供の頃、身近にラリーがあったからこそ、ラリードライバーになりました。私も、幼少期に父に連れられてサーキットに行っていたからこそ、こんなモータースポーツ好きに育ちました。このラリーを続けていければ、モータースポーツが文化となって日本に更に根付いていけると信じています。ラリージャパン2023の開催にご尽力された皆さま、本当にありがとうございました。！
豊田 章男/モリゾウ (TGR-WRT会長として)
エルフィンとスコット。優勝おめでとう！ 昨年の忘れ物をしっかり回収してくれました！ 今年、2回も私をポディウムに連れていってくれてありがとう！
セブとヴァンサン。やっと2人にポディウムの上で会えました！ 昨年よりも日本の道を楽しんでくれてありがとう！
カッレとヨンネ。2人にも初めてポディウムで会えました！ 大きなトラブルなしに2人のラリーを応援できたのもはじめてです。チャンピオンの走りを見せてくれてありがとう！
貴元とアーロン。「速い貴元」の走りを見せてもらいました。トラブルがあっても屈しない「強い貴元」も見られました。そんな貴元の姿を見られたことが、なにより嬉しかった。世界で戦うドライバーとして、大きな成長を遂げてくれてありがとう！
ヤリ-マティとチームのみんな。今年もチャンピオンというタイトルと共に日本に里帰りしてくれてありがとう。そして、最高の結果を見せてくれて本当にありがとう！ 素晴らしいシーズンでした！ お疲れさまでした！ よいクリスマスを！。
カッレ･ロバンペラ
「とても素晴らしい気分です。日本で3台のクルマが表彰台フィニッシュを達成したのは、チームにとって夢のようなリザルトです」
「今週末のような非常に難しいコンディションのラリーでこのようなことを実現できたのは本当に驚きです。チームも安定性と速さを改めて証明したと思います。また、貴元がとてもいい走りを見せてくれたことも誇りに思いますし、彼のタイムを見てハッピーでした」
「ラリーウィークの雰囲気は素晴らしく、大勢のファンの皆さんがラリーを楽しみ、僕らを応援してくれたのは嬉しかったです。チームと一緒にポディウムに立つなど、素晴らしいシーズンの締めくくりにふさわしいラリーになりました。
エルフィン･エバンス
表彰台のトップに再び立てたことは本当に嬉しいですし、チームが1-2-3を達成する素晴らしい結果は、トヨタのホームイベントでこれ以上の結果はありません」
「週末は長く、難しく、特に金曜日は非常にタフなコンディションでしたが、マージンをもって走り抜けることができました。それ以降は全開でプッシュするのではなく、タイム差をマネージメントするというチャレンジになりましたが、最後まで走りきることができて良かったです」
「信じられないようなシーズンを戦い抜いたチームに心からおめでとうと言いたい。クルマも素晴らしかったですし、みんなと働けたことを誇りに、そして嬉しく思います」
セバスチャン･オジエ
「素晴らしい結果に貢献できて最高の気分です」
「日本に来て、夢のような結果を実現するための力になりたいと思っていました。メインターゲットは優勝だだので、表彰台を独占できたのは素晴らしく、夢以上の結果でした」
「週末を通して、コンディションは大きなサプライズでした。金曜日は難しいスタートになるだろうと予想していて、自分たちも含めて多くのドライバーがミスやタイムロスをしました。その後、我々は1-2-3フィニッシュが可能ないい位置につけていることに気づき、それを実現することに集中しましたが、滑りやすくトリッキーなコンディションでは決して簡単ではありませんでした。いい仕事をしてくれたチーム全員が、この瞬間を楽しんでくれることを願っています」
ラリージャパン結果
1.エルフィン･エバンス/スコット･マーティン トヨタGR YARIS Rally1 HB 3h32m08.8s
2.セバスチャン･オジエ/ヴァンサン･ランデ トヨタGR YARIS Rally1 HB 1m17.7s
3.カッレ･ロバンペラ/ヨンネ･ハルットゥネン トヨタGR YARIS Rally1 HB +1m46.5s
4.エサペッカ･ラッピ/ヤンネ･フェルム (ヒョンデi20 N Rally1 HB +2m50.3s
5.勝田貴元/アーロン･ジョンストン トヨタGR YARIS Rally1 HB +3m10.3s
6.オィット･タナック/マルティン･ヤルヴェオヤ フォードPUMA Rally1 HB +3m28.3s
7.アンドレアス･ミケルセン/トシュテン･エリクソン ｼｭｺﾀﾞFabia RS Rally2 +7m33.7s
8.ﾆｺﾗｲ･グリアジン/ｺﾝｽﾀﾝﾃｨﾝ･アレクサンドロフ ｼｭｺﾀﾞ Fabia RS Rally2+8m49.6s
9.ｶｲｴﾀﾝ･カイエタノビッチ/ﾏﾁｪｲ･シュチェパニャク ｼｭｺﾀﾞFabia RS Rally2 +19m25.9s
10,新井大輝/立久井大輝 プジョー208 Rally4 +22m22.7s
【STINGER】
Photo by GAZOO
