人気爆上がり!–2024スーパーフォーミュラ開幕戦
鈴鹿サーキットで3月10日になわれた2024全日本スーパーフォーミュラ選手権開幕戦がは、見応えのある素晴らしいレースだった。
予選3番手からダッシュを決めた野尻が、他を寄せつけずにぶっ千切りで鈴鹿をつかみ取り、シーズン開幕戦でチャンピオンに向けてまずは一勝。不調を脱却した山下健太が、悔しいといいながら2位、引退も考えなければならなかったスーパーGTでの瀕死の怪我から立ち直り、厳しいリハビリやお世話になった周囲の人たちへの感謝の気持ちで目を真っ赤にして感涙に咽んだ山本尚樹が3位。表彰台の3人には、それぞれの思いがそのまま3つのドラマだった。
まず、予選最速は阪口晴南。スーパーフォーミュラ4年目のポールポジションを心から喜んだ。レース朝のフリー走行で最速だった大田格之真とともに、次の世代を担うドライバーが頭角を現した。
牧野を始め、表彰台を下から見上げたライバルたちも、気合のぶつかり合うバトルを、テクニカルな鈴鹿のあちこちで展開し、太田格之真と佐藤連、牧野任佑と福住仁嶺、ヨーロッパ帰りの岩佐歩夢もスーパーフォーミュラの職人たちに揉まれながら10位でゴール。ヨーロッパF2チャンピオンのプルシェールは、職人揃いの鈴鹿では、8番手に甘んじた。
そして18歳の野田樹潤も、「楽しかったァ。クルマと友達になれました」というレースで、観客の声援を浴びながら、簡単には乗りこなせないスーパーフォーミュラを、ほとんど練習走行なしで調教して17番手で完走。スタートで2台を交わした直後の1コーナーを気負い過ぎからコースをはみ出したけれど、なんとか立て直し、そこでめげることなく周回遅れにならずに完走を果たした。高校生は、スーパーフォーミュラ初体験とは思えない上出来なレースを楽しんで、自分の名前が書.すかれたタオルやボードを持つ多くのファンが並んだ観客席を振り返り、「ありがとう」と笑顔で手を振った。
バトルの連発で観客席の心拍数を高くした開幕戦で見どころ満載で進むことを感じさせ、スーパーフォーミュラの人気爆上がりの予感をさせた。
第二戦のオートポリスには、期待を胸にしたファンが押し寄せる機運が高まり、その後のレースも注目度を俄然高くした。
今年のスーパーフォーミュラは、間違いなく見逃せなくなった。
【STINGER】
Photo by SUZUKA