ボッタスに0.6秒差を着けられたハミルトンの心境を現す歴史的な写真
ボッタスの集中力と毅然とした構えと、「今日はバリテリの日だった」と脱帽したコメントのハミルトンの心境を如実に現した写真は、ボッタスの渾身のアタックと共に、歴史に残る1枚になった。
スペインGPの予選で、バルテリ・ボッタスが「自分の歴史の中で最高の1周だった」と振り返る完璧なラップを見せた。コーナーで身震いするメルセデスをまさに極限まで攻めた走りは、唯一の1分15秒台。2番手のルイス・ハミルトンを0.6秒突き放した。
逆に、ハミルトン+メルセデス以下の拮抗したタイムをみれば、バルテリ・ボッタスがいかに速かったかが分かる。
1. ボッタス+メルセデス 1:15.406
—-以下、1分16秒台
2. ハミルトン+メルセデス 1:16.040
3. フェッテル+フェラーリ 1:16.272
4. フェルスタッペン+レッドブル 1:16.357
5. ルクレール+フェラーリ 1:16.588
6. ガスリー+レッドブル 1:16.708
ボッタスの2019年スペインGPのQ3の2アタック目の1周は、まさしく、歴史的なアタックラップとして記憶されたが、その凄さを最も感じたのが同じマシンに乗るルイス・ハミルトンだったに違いない。その心境を如実に現したのが、恒例のトップ3の写真だ。
ハミルトンの肩に軽く手を回しているボッタスに対して、ハミルトンは、「バリテリがいい仕事をした。今日はボクはそこまでできなかった」と“冷静なコメント”をしたが、写真では腕を組んで明らかに距離を置きたがっているように見える。
負けを認めたら終わり、ということも含めて、心理学の専門家でなくても、ハミルトンの心中が見えるこの写真は、ボッタスの偉業を語る象徴的なカットとして残された。レースで、ルイス・ハミルトンが、この状況からどうよじ登るのかが見物。
[STINGER]山口正己
photo by Formulaone.com