ズバリ、ルマン24時間の見所!!
三つ巴の闘い?
木曜日の予選で中嶋一貴がポールポジションを獲得して話題を集めるルマン24時間。今年82回目を迎える分厚い歴史の中に、日本人初ポールはさん然と輝いている。
とはいえ、土曜日15時にスタートするレースには、別の展開が潜んでいる。なにしろ24時間、ゴールは遥か先だ。
近年のルマンは、耐久レースという名を借りたスティント毎のスプリントレースになっているが、開幕戦と第二戦を始め、ルマン・テストデーと、フリー走行、そして予選を観ていると、大方の流れとして、以下の要素が浮上してくる。
すなわち、スピードと安定を身につけたトヨタTS040 HYBRID、瞬発力を持っていそうで不気味なポルシェ919 HYBRID。そしてアウディR18 e-toron quattroは、若干停滞気味、という見え方だ。
予選までは、トヨタとポルシェの闘いの図式が見えていたが、レースでは別の要素が入り込む。ポルシェのリチウム・イオン電池が、どこで劣化が始まるか、という観方があるからだ。過去2戦だと、3時間で劣化が始まり、ストレートでの加速が鈍っていたという。
まず序盤の注目は、ポルシェのスピードが、3時間後にどうなっているかになる。もしかすると、その不安をもったままかもしれないし、ルマンを知りつくしたポルシェのこと、すでに解決しているかもしれない。
ポルシェがそうした問題を抱えているとなると、トヨタTS040 HYBRIDが俄然優位な位置にいることになる。だが、トヨタ陣営の指揮を執る木下美明TMG社長は、最大の見所として、「トヨタとAUDIの我慢比べだと思います」との見解を披露した。
特に序盤の最初の数時間に、アクシデントを起こさず巻き込まれず、じっと我慢して走ることが、勝負を分ける、という観方だ。
さて、トヨタとアウディとポルシェの三つ巴の闘いは、土曜日の現地15時、日本時間22時に、歴史に残るバトルを予感させてスタートする。
photo by WEC