トヨタ・ルマンプロジェクトを読み解く—◆2台目のドライバー
“エースカー”のドライバーは、中嶋一貴、アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール(左から)の3名。
トヨタのハイブリッドWEC(ワールドエンドュランス・シリーズ)計画で、木下美明TMG社長は、ドライバーについても、明確な方針で進めることを明かした。
「チームを分けないのと同じように、”日本人ドライバーチーム”という形は作らないです。仮に日本人が2人いるなら、別々のチームに振り分けます」。
「この計画が明るみになった段階から、F1経験者や現役バリバリのドライバーまで、本人やマネージメント関連の会社から、相当数の打診の連絡をいただいた。しかし、残念ながらその中に日本人は一人もいませんでした」。
日本の童夢がF1マシンを製作してF1計画を発表した時も、同じく、「誰も乗せてくれと言ってこなかった」と童夢の林みのる社長は語っていた。残念ながら、日本人は、この部分の積極性で、海外のドライバーに負けている?
先日の初テスト(トヨタは、ロールアウトという表現をしている)では、フォーミュラニッポンやスーパーGTで活躍する石浦宏明がテストドライブを行なっている。また、24日には、こちらも、去年フォーミュラ・ニッポンを戦ったアンドレア・カルダレッリが、ルマン・プロジェクトのジュニアドライバーとして公表されて、テストにジョイント。25日のテスト会場には、去年までトロロッソのドライバーを努めた、セバスチャン・ブエミの姿も見られた。
1台目のエースカーは、アレックス・ブルツ、ニコラス・ラピエール、中嶋一貴でフィックスしている。2台目のドライバーとして、ブエミ、カルダレッリ、石浦宏明が浮上しているが、木下社長が”ハイレベルのドライバーからのオファー”があったことを口にしたことから、確定は少し先になるかもしれない。
[STINGER]山口正己