フリー走行2のタイムがばらついた理由
ヨーロッパGPの初日は、いつもと違う結果になった。フリー走行2の上位が、いつもと若干異なる順番だったのだ。
通常なら、チームの2台は、概ねそろったタイムで並ぶが、今回は違った。トップ10でチームの2台が並んだのは、レッドブルだけだった。これはなぜか。
通常のフリー走行でチームは、2台のクルマをほぼ同じ仕様にしてセッションを消化する。同じ仕様にしておけば、例えばタイヤの比較を2台でデータ交換でき、効率のいいセッティングを進められるからだ。しかし、今回、ほとんどのチームが、今シーズンに入って最大と言えるアップデートを実施した。ならば、消化すべき確認プログラムが増え、2台のマシンにそれぞれ別のプログラムを担当させることになる。
通常、”金曜日のタイムは当てにならない”といわれるが、シーズンが進んでくると、タイムの流れで、大方のチーム力は想像できる。だが、今回に限っては、金曜日は金曜日。土曜日のフリー走行と予選では、違う流れになる可能性がある。
注目は、唯一、2台が並んだ順番になったレッドブル。これが安定を意味するのか、それとも。フリー走行3は、そこに注目すると面白く見物できそうだ。
[STINGER] / 山口正己