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テストデータから、勢力図を読み解く(3/3)

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マクラーレンが苦しんでいる。現状をどう打破するのか。

2/3からつづく)

◆3月8日からの最終テストは、本番仕様に?!
また、トロロッソも、侮りがたいスピードと、ロングランを披露しているが、現状で全力を出し切った観がある。フォース・インディアは、まだシェイクダウンしたばかりの車両で、その素性は計り知れないが、少なくともスピードを確保しているのは確かだ。そのうえ、メルセデス・エンジンとKERSの組み合わせは強力だ。信頼性が高まり、セットアップが進めば、強力なミッドフィールダーになることは間違いないだろう。

ロータスとヴァージンは、先輩チームに近づいてはいるが、まだまだギャップはある。走ることすらままならなかった昨年のウィンターテストを考えれば、現在の彼らの進化は驚くべきものである。

ところで、ここへ来て、バーレンテストの中止とバーレーンレースの延期開催が、急遽決定された。そして、最終テストは3月8日〜11日のバルセロナ・テストに決まった。実質上の開幕戦となる第2戦が3月27日に行われる。メルボルンへの荷物の積み出しは、3月15日〜16日だ。本来であれば、バーレーンのテストに向けて、2月23日に、各工場から荷物の積み出しの予定だったので、出荷には3週間の猶予が出来た。

ほとんどのチームが開幕スペックにアップグレードする予定を持っていたはずだが、これは次回の代替テストのバルセロナで装着されることになるだろう。つまり、それが本来の開幕スペックということだ。その意味で「ダウンフォース競争」は、このバルセロナである程度のメドが付く。

一方、今年は、例年になく、車両の信頼性の確保が、各チームとも進んでいない。KERSを搭載したものの、ハードウェアもソフトウェアも、いずれか、もしくは両方とも完全には機能しない、リヤウィングの作動状況が安定しない等々がチームを悩ませている。

さらに、昨年から流行初め、そして吹きつけ位置の変わった排気デバイスの効果も注目される。排気デバイスの位置変更により、サイドポンツーン内の配置が変わり、配線、油圧配管、フロア焼損といった熱害が後を絶たず、これが長距離走行を妨げる原因となっている。未だ、どのチームも「完璧」な、レース・シミュレーションは行えていないのだ。

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シューマッハ+メルセデスがダークホース?!

一方、各チームの走行距離トップ3を見ると、今回のバルセロナでフェラーリが2024km、メルセデスが1987km、ザウバーが1824km、前回のヘレスでフェラーリが2050km、レッドブルが1749km、メルセデスが1496km、最初のバレンシアでは新車走行だけで見るとフェラーリが1145km、ウィリアムズが1033km、レッドブルが1033kmとなっている。つまり、どのテストにおいてもフェラーリが一番距離を稼いでいる。今回の総合トップタイムや、ロングランのラップタイム安定というのは、こうした距離(データ)の積み重ねが、セッティング向上に役立っている証左であろう。その意味では、メルセデスもバルセロナの最終2日で、帳尻を合わせ始めたと見て良いかも知れない。

いずれにしても、本来のバーレーン開幕スペックで行われることになるはずのバルセロナの最終テストは、オーアストラリアでの実質上の開幕に向けて、これまでのテストとは違って、より内容の濃いものになると想像できる。

[STINGER-Moh Mantai]


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