可夢偉見参! ザウバー会見全録 3/4
–カムイ、去年の成功の後、複数チームからオファーがあったかと思いますが、それはどのチームですか?
可夢偉 いくつかありましたが、ここで言っていいものか……。
–大丈夫ですよ(笑)
可夢偉 いや、オープンに話したいのですが、オファーをくれたチームが嫌がるかもしれないし…… それらのチームに聞いてみて、後で教えるよ。 ……昨シーズンの終わりにはルノーかザウバーかで考えていたけれど、最終的にはココと契約した。僕はマネージャーではないからどこがコンタクトをとってきて、どこが本気のオファーを向けてくれたか全て把握はしてないが、複数チームあったと聞いている。
–カムイ、あなたはトヨタと働いていましたが、現在でも何かしらのサポートは受けていますか? そして今でも繋がりはありますか?
可夢偉 今でもトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム”TDP”に所属しているが、今はBMWザウバーF1チームとこうしているわけだから、技術的なサポートは受けていない。しかしTMGはホテルを取ってくれたりとか、小さなことでサポートはしてくれたりする。しかし今大切なのはBMWザウバーというチームにいるということだね。
–カムイ、初のF1フル参戦を果たした今年は、あなたにとってブレイクスルーの年となるかと思いますが、目標は、やはり史上初の日本人ドライバーの勝利ですか?
可夢偉 もちろん初の日本人ドライバー優勝は目標だけど、、現在はまだそれは遠い話しであり、今はテストに集中したい。
–カムイ、ペドロがフォーミュラ・ニッポンでレースに勝ってタイトルも獲ったとき、あなたはそのときの彼を認識していましたか? そして当時あなたは何歳だった?
可夢偉 いや、認識していなかった。あれは何年だったかな? ’97年? じゃ、僕はやっとカートを始めた頃だね。かなり昔の話だよ。カートを始めて12年でF1の舞台に立っている。カートとF1は非常に離れているから、カートを始めた頃はまさかF1で走るときがくるとは思っていなかった。ところが今はこうして経験豊かな、そして日本のことも知っていて、F1の経験もあるペドロのチームメイトになっている。
–当時のフォーミュラニッポンは見てましたか?
可夢偉 あまり見てなかった。カートを始めたのもただ車に乗りたかったからで、レースに興味があったわけではなかったから。
–ペドロ、ルカ・バドエルに去年起こったこと(F.マッサの代役でフェラーリに乗ったが常に最後尾)は、近年のテスト・ドライバーがレース環境におかれたときの問題点を示したように思いますが、彼におきたことはあなたに再びレーシング・ドライバーに復帰することを躊躇させましたか? それとも彼とは状況が違うと考えますか?
ペドロ 迷うことはなかった。そのことを考え、躊躇したことはない。彼よりテストは重ねてはいたが、今までもシーズン途中でドライビングを引き受けたことはある。2005年も2006年もそうだったし、そういった機会について不満は言わないことを学んだよ。
–カムイ、あなたは今もパリに住んでいますか? それともスイスに移っていますか、もしくは移りますか?
可夢偉 去年まで(のGP2は)フランスのチームと仕事をしていたのでまだパリに住んでいるが、今はスイスのチームだから近いうちに移るつもりだ。
–ペドロ、マクラーレンとザウバーの違いは? それから、チ―メイトだったハミルトンとアロンソのどっちに勝って欲しいですか?
ペドロ 自分が勝ちたいよ! 彼らにかまってる場合じゃない(笑)。マシンについてもチームについても違いが多すぎてわからないし、このチームに入ってまだ日が浅いからチームのメンバーの名前を覚えるのだけで精一杯だよ。スタッフが多いからね。チームやマシンの違いについて語るにはまだ時間が必要だけど、現時点ではザウバーチームのプロフェッショナリズムに感銘を受けているし、みんなが本気で取り組んでいるのが伝わってきている。だけどまだシーズンは始まっていない。本番はこれからだ。
–カムイ、以前のあなたは夜中にディスコに行ったり、破天荒な一面を見せてきましたが、F1ドライバーになった今、そういった行動は自粛しますか?
可夢偉 そうだね、F1はよりプロフェッショナルな世界だから僕もプロフェッショナリズムを高めないと(笑) 。
–本当にそう思ってますか?
可夢偉 あなたはどう思います? 僕は自分では思ってるつもりですが(笑)。