[STINGER]新春特別企画 浜島裕英エンジニアに訊く、”フェラーリの3年間とこれから” 1/4 — 苦戦の2014を振り返る
12月16日に、フェラーリから発表された技術部門刷新のリリースで、ブリヂストンからフェラーリに移籍した浜島裕英エンジニアは、3年間続いた契約を更新しないことが明らかになった。
フェラーリは、キミ・ライコネン+セバスチャン・フェッテル+テスト/3rdドライバーにエステバン・グティエレス、テスト・ドライバーにジャン-エリック・ヴェルニュ、マルク・ジェネ、ダビデ・リゴンの布陣で2015年を闘うが、果たして浜島さんは?
18日に予定通り帰国した浜島エンジニアを[STINGER CLUB]主催の夕食会にお招きし、[STINGER CLUB]メンバーとともに”公開記者会見”として12月23日に話を伺った。
噂では、ホンダ・エンジンを積むマクラーレンや、気心の知れたマッサのいるウィリアムズを始め、数チームからオファーがあるとも言われるが、さて?
◆久々に未勝利のシーズン
・・・・いろいろと(笑)、お疲れさまでした。
浜島:はい、ありがとうございます(笑)。
・・・・フェラーリが勝てなかったのは何年ぶりでしたか?
浜島:1993年以来ですね。
・・・・フェラーリは、ず〜っと勝っているようですが、実はかなり浮き沈みがあって、ミハエル・シューマッハ時代があった影響でずっと勝ち続けているような印象がありますが、そうではないですね。低迷した2014年を、内側からご覧になってよろしくない状況があったのでしょうか?
浜島:マズくないわけないですよ(笑)。1勝だけした、というのは、2011年(※1)が最後なんですよね。それから、2005年は忘れもしないアメリカGPの1勝(※2)だけなんですけど。
※1:イギリスGPでフェルナンド・アロンソが予選3位から優勝。
※2:ミシュラン・タイヤがレースウィーク中、バンクでバーストして出走を取りやめ、ブリヂストンを履いたフェラーリを含む6台だけでレースがスタートした。
で、2014年がよくないのは、先頭を走ることもなくポールも取れず、というのがその状況にさらに拍車をかけていましたね。
・・・・なるほど。
浜島:ところで、これは日本語だけで発表されるのですよね(笑)。
・・・・です(笑)。
浜島:では(笑)。結果はよくはなかったですが、雰囲気的には、キミ(・ライコネン)が来て新しい体制になって、年初は、それなりに、”ちゃんとやろう”という気にはなっていました。でも、テストをして、エンジンパワーの違いがすぐに分かってしまった。
・・・・エンジンパワーは解析できる。
浜島:ご存じの通り、GPSでクルマの位置が測定できるようになっているので、それぞれのクルマの加速とか、減速とか、あっと言う間に分析できちゃう。それを見ると、第一戦が始まる前に驚愕的な数字が出て来るわけです。そうすると、けっこう、大変ですね。
(その2につづく)