4日間のテストまとめ–バルセロナのF1合同テスト
バルセロナのF1合同テストは、2016年を占う意味で大きな注目を集める中で4日間のスケジュールを終了した。
まだまだテストであり、それぞれが思い思いのプログラムをこなしてシーズンに備えているところだが、まずは、フェラーリのスピードとメルセデスの安定ぶりが目につく結果となった。
2年目を迎えたマクラーレン・ホンダは、順調な滑り出しにみえながら最後につまずきを見せた。
◆バルセロナ合同テスト4日間総合結果
◆想像以上のハースの仕上がり
一方、2016年最初のF1合同テストでは、スピードはまだまだとはいえ、新参のハーツと、メルセデスのパワーユニットを手に入れたマノーの走りっぷりが注目された。
去年、復帰初年度のマクラーレン・ホンダが苦労したように、クォリティの高いF1GPの壁は高いのだが、4日間を振り返ると、アメリカからデビューしたハーツが、ロメイン・グロジャンと、小林可夢偉の後釜としてザウバーに抜擢されて2013年と2014年をザウバーで過ごし、2015年にはフェラーリのサードドライバーとして待機したエスティバン・グティエレスのコンビで、想像以上の仕上がりを見せている。
特に、2日目に6番手、3日目に2番手と、テストとはいえ、ロメイン・グロジャンが見せたスピードは小さな驚きだった。
◆マノーは”潜伏”中?!
一方、メルセデスのパワーユニットを手にしたマノーは、3日目と4日目に経験の浅いデビュタントのリオ・ハルヤントがステアリングを託したこともあって、マッチングにもう一つ時間がかかりそうな状況だ。
しかし、マクラーレンで辣腕を奮った実力者のデイブ・ライアンと、フェラーリのエンジニアリングを指揮したパット・フライの加入で、パワーユニットとともにチーム体制が確実に強化されたことは周知の事実。
メルセデスが育成ドライバーの逸材パスカル・ウェーレインを送り込んでいることも、チームの未来の明るさの証明と見ることも出来、安定した力が出せれば、中団グループをかき回す存在になる可能性がある。
両チームとも、マクラーレン・ホンダのライバルとなる可能性もあり、3月1日から始まる2回目のテストが気になるところだ。
[STINGER]山口正己