◆小林可夢偉、順調に62周の走り込み
【アブダビGP / 金曜日トピックス-3】
アメリカとブラジルに参加できないという最悪の状況のケータハムは、パーツを切り売りするという、およそF1らしくない醜態をさらしながら最終戦にマシンを運んだ。
小林可夢偉にチームからの連絡があったのは月曜日。チームは多くのメンバーを解雇し、やめていったものもいた結果、可夢偉は、レースエンジニアなし、ファクトリーとの通信なし、というF3のような状況で苦戦が予測された。
しかし、苦戦以前に”走れるのか”という心配は杞憂に終わった。小林可夢偉+ケータハムは、フリー走行1で24周、フリー走行2で38周を走り込んだ。
急きょチームメイトになったウィル・スティーブンスも、フリー走行1こそ、消火器の誤動作で出遅れたが、フリー走行2では34周を走破。これまでチームは一体なにをやっていたのか、といいたくなるほど順調な滑り出しを見せた。
小林可夢偉+ケータハムのフリー走行2は18番手ながら、スーティル+ザウバーとマルドナルド+ロータスにそれぞれ0.8秒、0.6秒差。レースをうまく組み立てれば、最悪の状況のはずが、今年最高のレースができるかもしれないと期待を持たせる初日だった。
[STINGER]山口正己
Photo by CATERHAM F1 TEAM / LAT Photographic