見た目よりも命 — ドイツGP木曜記者会見
ヘイロー反対派多数という意見に困惑するフェッテル。
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は次の6名が参加。
リオ・ハリアント(マノー)
ニコ・フルケンベルグ(F.インディア)
フェリペ・ナッセ(ザウバー)
ダニエル・リカルド(レッドブル)
セバスチャン・フェッテル(フェラーリ)
パスカル・ウェーレイン(マノー)
今回の会見では、2018年に採用が延期されたヘイロー・デバイス※について各ドライバーがコメントした。
※2018年から投入予定のコクピットを覆う”鼻緒”のようなドライバー保護フレーム。
Q.セバスチャンからお願いします。昨日、フェラーリはテクニカル・チーフがジェームズ・アリソンからマティア・ビノットになるというニュースが発表されました。それに関しててあなたの考えを教えていただけますか?
セバスチャン・フェッテル(以下、フェッテル):そうだね、それに付け加えることはあまりないよ。何が
あったかはリリースで発表されてると思う。マティアは長いことチームにいるから経験も豊富だし、チームのことを隅々まで知ってるからね。確かに変化はあるけど、この短期間じゃ大きな変化はないよ。
Q.この人事はタイミング的に彼(ビノット)が来年のマシンの開発責任者となり、方向性に大きく影響を与えることを意味します。チームは開発の焦点を来年のマシンへとシフトしたのでしょうか?
フェッテル:僕らはすでに全力で来年のマシンに取り組んでるし、みんなそうだと思う。ルール(レギュレーション)がまったく違うからね。それでも今年から学べることもあると思うし、今年のマシンを忘れちゃうのは間違いだと思うよ。
Q.リオ、あなたがドイツでこうして会見に出席しているということは、シーズン中はマノーとの関係が続くという前触れでしょうか?
リオ・ハリアント(以下、ハリアント):チームとは1年の契約があるよ。もちろん僕らには果たすべき特定の義務がある。僕のマネジメントは忙しく働いてくれてるし、チーム、それから応援してくれてる(母国)インドネシアの人たちにお礼を言いたいね。きっと残りのシーズンもシートを維持できるハズだよ。
Q.ニコ、ヴィジェイ・マリヤ(チーム代表、マネージング・ディレクター)はシルバーストンであなたとチェコ(セルジオ・ペレス)の両方とも来年シーズンもチームとの契約があるとメディアに話してくれました。先週末の(この会見に出席した)チェコはそれについて曖昧なリアクションでしたが、あなたの状況はどうなっているのでしょうか?
ニコ・フルケンベルグ(以下、フルケンベルグ):すべてが簡単でリラックスしてるよ。それ以外に付け加えることはほとんどないかな。ヴィジェイは状況についてコメントしたと思うし、僕らは今は今シーズンに集中してる。可能な限りポイントを稼ぐ。これがおもなターゲットだよ。
Q.では、来年もチームに留まるのですか?
フルケンベルグ:イエス。
Q.ダニエル、今週末はあなたの100戦目のグランプリです。おめでとうございます。
ダニエル・リカルド(以下、リカルド):素晴らしい気分だよ。そういう気分に浸れたのは素晴らしいよ。100戦目だもんね。あっと言う間だったと思うけど、同時にそうでもなかったと言えるよ。ここまでたどりつくまでにたくさんのステップがあったし、HRT(リカルドがF1デビューしたチーム)時代を振り返ると、そんなに昔だったようには感じないからね。
Q.すべてのドライバーにヘイローについてお聞きします。ジョリオン・パーマーは今朝、ほとんどのドライバーはヘイローに反対しており、乗り気ではないと話していました。その意見に賛成ですか? ニコからお願いします。
フルケンベルグ:そうだね、ドライバーの中にもいくつか意見があると思うよ。気に入ってる人もいれば、そうじゃない人もいて。美的な面では間違いなくそんなによくはないね。魅力的には見えない。ただ、場合によってはよりよくなるだろうし、命を守ってくれる。それでも、F1はすでにかなり安全だし、エキサイティング、魅力といった要素は不可欠だよ。ただ、それは僕らが決められることじゃないよ。今日はヘイローに関するミーティングがあるだろうから、それでどうなるか聞いてみるよ。
Q.リオ、あなたはどう思いますか?
ハリアント:同じ意見だよ。
Q.パスカルは?
パスカル・ウェーレイン(以下、ウェーレイン):僕はヘイローに賛成。特に、ブダペストで先週末に(FIAによる)プレゼンテーションを見たあとだとね。すごくいい選択肢だと思うし、見た目はすごくよくはないけど、僕らの命を守ってくれる。(そのプレゼンテーションによると生存率が)17%向上する。僕はまったく賛成だよ。
Q.フ
ェリペは?
ェリペは?
フェリペ・ナッセ(以下、ナッセ):僕は気に入ってる。みんなが似たようなことをコメントしてるけど、見た目は素晴らしくはないね。だけど、優先されるのは安全性だし、いいと思うよ。
Q.ダニエルは?
リカルド:外から見ている人たちは、僕らが安全になるだろうからって言うとき、その意味を理解する必要があると思うよ。それは僕らがリスクを冒さないって言う意味じゃないからね。僕らのアプローチは変わらないよ。マシンを走らせてる僕らからすると、オールージュとかを全開で走ってるとき、ヘイローがあろうとなかろうと僕らのアプローチは変わらない。僕らはドライバーだし、不慮の事故を取り除こうとしてるよ。
Q.セバスチャン・フェッテルは?
フェッテル:将来、僕らに必要なものが何かハッキリしてると思ってたから、ちょっと驚いてるよ。だからそういうコメントにちょっと驚いたし、90〜95%が(賛成に)投票したと思うよ。何でこう急に事態が変わったのかはわからない。(そう言ったコメントが、ドライバーの総意だと)誤解を与えてると思う。ここでほとんどのドライバーたちが口にしたように僕らは見た目は好きじゃないけど、この世に死を正当化できるものなんて何もない。僕らはトラックで起きた事故からいつも学んできたし、いつも改善しようとしてきた。人類史上初めてのことを学びながらも変わろうとしない。やるかどうかは僕ら次第だし、やらなきゃ僕らはバカだと思うよ。
【翻訳:STINGER】
Photo by
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA
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Force India F1 Team