F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は次の6名が参加。

バトンはチームの進捗状況や来年のシートに関する質問に答え、先週末のスパでクラッシュを喫したマグヌッセンは現在の状況、ライコネンとフェッテルはスパの1コーナーで接触したマックス･フェルスタッペンのとった行動やそれに対する考えについてそれぞれコメントした。

また、会見の前に引退を発表したフェリペ･マッサとの思い出を全員が語った。

ケヴィン･マグヌッセン（以下、マグヌッセン）：ただリラックスしてただけだよ。どこも折れてなかったし、（大きな）ケガはなかったから。ちょっと体が痛んだけど、特別に何かやる必要はなかったよ。数日家で過ごして次のレースに備えたよ。

マグヌッセン：オー･ルージュのてっぺんでスピンしてね。バンプにヒットしてリヤを失った。左側に向かってスピンするかと思ったけど、マシンがまたグリップして右に進んでウォールに向かって行って。そういう感じだった。

キミ･ライコネン（以下、ライコネン）：規定はハッキリしてると思うし、サーキットでそういうことが起きたことはいつだって間違ってるって感じるものだけど、一番の問題はいつもそれが同じじゃないってことだと思う。僕らドライバーはいつもそれについて話し合ってるし、改善もできたと思う。個人的にはマックス（･フェルスタッペン）には何も思ってないよ。彼はいい仕事をしてるし、それに速い。少なくとも僕の感触としては、全開で走ってるときに減速したりブレーキを踏むのは正しいとは思わないけど、その手のことは話し合っても結論にたどり着かないよ。とにかくどうなるか見てみよう。

ライコネン：間違いなく不運な出来事だったよ。たしか彼がゴメンと言ってくれて、僕はOKと答えた以外は大した議論はしてないし、僕らはもう前に進んでる。お互いにとって、それから3人が巻き込まれたのは理想的じゃないけど、そういうこともあるからね。次はもう少しスペースを余分に開けるつもりだし、今はそれで終わりだよ。

セバスチャン･フェッテル（以下、フェッテル）：大して話すことはないよ。起こったことはハッキリしてる。確かにキミはインサイドにいると思ってたけど、実際はそこに3台いた。僕はキミのためのスペースは開けたけど、それは3台通れるものではないし、マックスはスタートが上手く行ってなかったと思うし、僕らのバトルの外にいると思ってた。結局僕ら3台に十分なスペースがなかったよ。僕からすれば、ハッキリしてる。ミラーはあんまり見えなくて、キミがそこにいて、僕が少しリードしてたのは見えた。もし同じことになった場合、わかっていればもう少しスペースを開けられるし、少なくともインサイドのマシンが2台いたことはわからなかった。巻き込まれた3人にとっては残念なことだし、そこからポディウム争いはできなくなったよ。

ジェンソン･バトン（以下、バトン）：そうだね、コーナーを4つ曲がっただけ（1周目でリタイア）だったけど、その4つは”ファンタスティック”だったし、その4つにはすごく満足してるよ（笑）。 まじめな話、スパではほとんどの人たちが思っていたより全体的に僕らは上手くやったんじゃないかな。たぶんほかの人たちより少し余計にダウンフォースを効かせてたんだろうね。ただ、フェルナンド（･アロンソ）を見れば、最初の数ラップは置いといて、マシンの実際のぺースを見れば、フェルナンドはレースでいい仕事をしてた。励みになるし、ここ2戦は僕らにとってかなり厄介なサーキットだけど、それでも僕らは改善できてる。ホンダはスパにアップグレードを持ち込むために素晴らしい仕事をしてくれたし、ホンダと一緒にほとんど毎戦で改善してることを確認できるのは素晴らしいよ。それに、上手く改善できてると思ってる。

バトン：そっちも順調だ
よ。

ライコネン：間違いなくすごく残念だよ。ただ、それが彼が選んだことだからね。同じチームにいたとき、僕らはいい関係を築いてたし、彼はF1のアクシデントで確かに難しい時期を過ごしたこともあるけど、彼はずっと強かったし、いいヤツだったよ。人生は続いていくからきっと彼にとっていい選択だったと思うし、いいカタチでF1のキャリアを締めくくってほしいね。

マグヌッセン：彼は長いキャリアっを持ってる。キミが言ったように、彼がいいタイミングだと感じたならそうだろうし、彼の幸運を祈るよ。

フェッテル：彼はホントにすごくいい人だし、すごく楽しいよ。彼がいないと寂しくなるし、やめるのは残念だよ。彼がこれから何をするにしろ、彼の幸運を祈ってる。トラックでは才能があって速かった。それだけじゃなくて、さっきも言ったように素晴らしくて明るい人だから、寂しくなるよ。

エステバン･グティエレス（以下、グティエレス）：賢い決断だと思うよ。誰にとっても答えを出すのが難しい決断だったと思う。2008年、当時僕がフォーミュラBMWで闘ってたとき、夕食に招待してくれた素晴らしい思い出があるよ。当時の僕にはすごく大きなことだった。今は彼の幸運を祈るよ。彼は素晴らしいキャリアを残してきたし、それを誇らないとね。

バトン：彼がF1に来た頃から一緒に走ってるし、確か15年前だったかな。一緒にレースをしてきた。だから、このスポーツから何度も優勝して、成功して、タイトル争いにかなり近いところで闘ってた誰かが引退するときは変な感じがするよ。ただ、みんなそれぞれ理由がある。勇気ある決断だったと思う。彼は引退することを選んだし、それは間違いなく正しい選択だったと思うよ。

カルロス･サインツ（以下、サインツ）：彼に初めて会ったのは2005年だよ。10とか11歳のときだったと思う。すごく親切にしてくれたし、僕にとってF1のヒーローだよ。彼はすごく楽しくて、すごく親切にしてくれたから、それ以来ずっと彼をリスペクトしてきたよ。ここに来る5分前に彼にハグをしに会いに行って来たし、彼の幸運を祈ってる。これからきっといい人生が待ってるハズだよ。

ライコネン：僕がポジションを明け渡さないかいけないかどうかをチームに聞いて、チームはFIAかチャーリー（･ホワイティング/FIAレース･ディレクター）に聞いて、僕はその回答の通り実行したよ。

フェッテル：全部は覚えてないけど、まだ彼とは話してないよ。それについてはこれまでも話をしているし、スパで話題に挙がってたのは前にいるマシンのブレーキ中の動きに関してで、あれは間違ったやり方だよ。うしろにいるマシンは反応できるけど、あれ以上反応できない場面もあるし、そうなればクラッシュして終わった可能性もあったワケで、そのことについては話してきてるんだ。話し合った時に彼は理解してくれたと思ったけど、もう一度話し合う必要があるね。ただ、スパでも言ったように僕はスチュワードに不満を漏らしに行くのはあんまり好きじゃない。お互い顔を突き合わせて話す方がいいと僕は思う。あいにくまだそれができてないけど、いつか必ずやるよ。

フェッテル：そうだね、なんとも思わないよ。僕らは何も恥ずべきことはないよ。前にも答えたと思うけど、これは相手に対する敬意の問題だよ。僕らは全員ここにはレースをしに来てるし、自分たちがやってることが大好きで、僕らは自分たちの生活のすごく大きな部分を占める素晴らしい情熱をシェアする仲間たちのハズ。それはみんなが共通して備えているものだよ。僕らは上手く付き合って行けるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。だけど、それは大して重要じゃないんだ。でも、僕はいつもお互いに敬意を払うべきだと思うよ。

ライコネン：誰にでも感じたことをいう権利はある。さっきも言ったように、個人的に彼に対して何も思ってないよ。僕の意見としてはいくつか正しくないことがあるっていうだけで。マックスを呼び出してそれについて話すことに興味はないけど、もしも誰かが1コーナーで何かされたからってレース中に仕返したって言い出して、やられたことを故意にやり返すっていうのはこのスポーツでやるべきことじゃないね。それは最悪の事態につながることもあり得るんだ。そう、人はミスを犯すものだし、僕ら全員の誰だってやってしまうことだけど、そ
れを受け入れないといけないし、ここは何かされたからって、それに対して仕返しだと言ってバカげたことをしていい場所じゃないよ。

バトン：エキサイティングな話題にしたいけど、来年のため、将来のために何をしてるかは話せない、申し訳ないね。