テストはやる意味なし? — モナコGP木曜記者会見
半日だけ、しかもモナコと性格が大きく違うバーレーンでの走行は無意味と判断したバトン。
木曜日恒例のドライバー記者会見。今回はモナコGPということで、例年通り1日前倒しのスケジュールにより木曜日の会見は水曜日におこなわれた。
2部構成の会見パート1には次の3名が参加。
ジェンソン・バトン(マクラーレン)
ニコ・フルケンベルグ(ルノー)
エステバン・オコン(F.インディア)
※パート1のバトンを中心にコメントを抜粋してあります。
バトンはバーレーン・テストに参加しなかった理由やインディ500に挑むアロンソにかんして、フルケンベルグやオコンはほかのカテゴリーへの関心度合いについてそれぞれ語った。
Q.ジェンソン、2009年のモナコGPウィナーにしてワールドチャンピオンです。おかえりなさい。控えめに言っても変わった状況です。あなたはこのレースのためにどんな準備をされましたか? 2017年のマクラーレンのマシンをどの程度把握しているのでしょう?
ジェンソン・バトン(以下、バトン):まず初めに、戻って来られて素晴らしいよ。テレビは別として6カ月会ってなかったみんなに会えたのはいいことだよ。準備は上手くできたよ。マシンを実際に走らせてないことは別にしてね。レギュレーションが新しくなってる。だから完璧ではないね。バーレーン(GP翌週のテスト)で半日走る計画もあったんだけど、僕にとってはまったくやる意味がないと思ってね。(こことは)まったく違うタイプのサーキットだから。チームに話したんだ。シミュレーターで数日過ごすのがベストだろうってね。僕らドライバーはシミュレーターが大好きだし、やりたくてウズウズしてたよ。感触を掴むためにシミュレーターに長いこと時間を費やしたよ。そうだね、楽しかったよ。大部分は同じだけど、いくつかのものはレギュレーションでもちろん変わってるけど、それはいつものことだね。いくつか学ばないといけないこともあるけど、まだレーシング・カーなのは変わってないから、ちょっとワイドになったマシンに慣れるだけだよ。
Q.スペインでのマクラーレンはフェルナンド・アロンソの手で高い競争力を示しました。そして、ここは近い将来でマクラーレンがポイントを稼ぐのに最大のチャンスでもあります。ポイントを稼ぐことはあなたにとって大きなプレッシャーになっていますか?
バトン:いや、まったく。僕はすごくリラックスしてるよ。実際、かなりワクワクしてる。F1グランプリのために戻ってくるのはすごく面白いことだよ。それがモナコなんだからすごく特別だね。ここでは勝ったこともあるし、17年間住んでたからね。それにここではいくつかいい思い出もあるしね。エキサイティングだよ。ただ、プレッシャーは感じてないよ。まったくね。シミュレーターで走ったし、アップグレードも試してみた。間違いなく改善してたし、ここでもさらにアップグレードが投入される。もし週末通してスムーズに進めば、僕らは上手くやれるハズだよ。かなり競争力があるハズだよ。
Q.ジェンソン、今回の件を打診されたとき、すぐにイエスと答えましたか? それとも考える必要がありましたか?
バトン:僕の犬たちに聞いたら、彼らは”1〜2週間あなたがいなくても大丈夫です”って言ってたよ。ガールフレンドは”やるべきことをしないとね”って言ってくれたから、僕はイエスと答えたよ。それが僕の決断だった。やりたくなきゃノーとも言えたし、走りたくないレーシング・ドライバーなんていないしね。すごくワクワクしてるし、ちゃんとしたテストでマシンをテストできてればもっとよかったんだけど、でもF1ではそうもいかないからね。体力的にも問題ないと思ってる。モナコだろうと木曜日の後はきっと首がちょっと痛むだろうね。でも金曜日が休みだからちょっと休めるワケだしね。
Q.あなたは2009年以前によりダウンフォースの強いマシンを走らせていました。もし当時の経験がなくてもバーレーンのテストには参加しませんでしたか? また、その経験が今回の役に立つと思いますか?
バトン:そうだね、あとから考えたらいつだってノーというのは簡単だけど、テストをしていたとしてもたった17周だったし、どっちにしたって半日しか走れなかったワケだからね。バーレーンはこことは違うサーキットだし。マシンはワイドになったからそこが一番のポイントだね。タイヤの挙動に関しても、ここ数年、それがトリッキーだったのはみんな知ってるでしょ。タイヤも変わってることは分かってるけどなんとかするし、それを何日か試せるしね。暖かいからそれも助けになるよ。週末通してちょっとトリッキーなことはわかってるけど、そういったことには時間と労力を割いてやっていくしかないし、きっとなんとかできるハズだよ。
Q.あなたのチームでの現在の役職は何ですか?
バトン:変わってないよ。僕は今もチームの大使だし、3rdドライバーって考えてるかもしれないし、今週末はレースに出るチャンスがある。どっちにしてもここにいるつもりではあったし、座ってシャンパンを飲む代わりにここでやるべきことをすることができる。すごくラッキーなポジションだし、すごくエキサイティングなポジションだよ。チャレンジングだけど、いいものだね。
Q.ニコ、あなたはすでにル・マンのチャンピオンです。そして、フェルナンドは今週末にインディに挑みますが、みなさんはインディ参戦に興味がありますか?
ニコ・フルケンベルグ:個人的に現時点ではノーだね。僕をかき立てる何かやワクワク感がないかな。ル・マンは1つあったんだ。インディは現時点ではノーだけど、将来的には、これから数年後は変わるかもしれないけど、わからないかな。ただ、現時点では自分の居場所に満足してるよ。
Q.ジェンソンは?
バトン:インディは僕が考えてた場所ではなかったよ。個人的にはフェルナンドが出ることに興味があったことに驚いたけど、僕らはみんな違うことをするのが好きだからね。僕らはレーシング・ドライバーだし、僕らはF1だけのドライバーでもないから、ほかのスポーツをやるのが好きだからね。僕はいつかル・マンに出てみたいし、素晴らしい経験になるだろうし、チームの雰囲気も素晴らしいだろうね。ニコみたいにいいチャンスがあればね。NASCARでも走ってみたい。楽しいだろうね。今年、ジミー・ジョンソン(NASCARドライバーに)招待されてレースを見に行ったんだ。楽しい時間を過ごせたし、その”ショー”を見るのがすごく楽しかったよ。ほかのモータースポーツとはだいぶ違うけど、同時にチャレンジングでもある。大きなチャレンジだね。どうだろうね。ほかのモータースポーツとしてはラリークロスも好きだよ。いろいろあるけど、いろんな理由でインディは僕の候補ではなかったよ。
Q.エステバンは?
エステバン・オコン:僕はノーだね。僕は今はインディもル・マンも考えてないよ。完全にF1に集中したいしね。僕のゴールは常にここにいることだし、僕はF1で成功したい。それよりも引退したらラリー・ドライバーになりたいね。やってみたいよ。
Q.ジェンソン、フェルナンドのインディでの活動をチェックして、日曜日にインディ500をテレビで見ますか?
バトン:何時にやるの?(モナコの午後6時) そっか、きっと観るよ。彼が最初にマシンを走らせたときに観てたけど、ドライバーのリアクションを見るのはいつも楽しいね。彼がマシンを降りてるときは横にずっとメディアがくっついてたから、そのリアクションの方が面白かったね。僕はそれを見てるのが一番面白かったよ。だって、僕らはみんなフェルナンドがどれだけメディアを大好きか知ってるし(笑)。彼がサーキットでマシンを走らせてるより、そのリアクションを見てる方が面白いよ。完全に異常だよ。そうじゃない? インディのメディアとどれだけ注目を集めてるかがね。そのスポーツにとって素晴らしいことだよ。戻ってきたときフェルナンドがなんて言うか楽しみだね。フェルナンドとは何年かチームメイトだったし、それよりも長く彼とは闘ってきたから。彼が何をするか見るのが楽しみだよ。まったく違うタイプのモータースポーツだからね。そこで何年も闘ってきたたくさんの才能あるドライバーたちに囲まれてるワケだし、そこで彼がどうやって行くのか楽しみだね。予選はかなり上手くやったみたいだし、レースは本当にだいぶ違ってる。あちこちでホイールtoホイールのバトルになるからかなりカオスだね。彼の成功を祈るけど、一番大事なことは彼が無事なことだね。
【翻訳 / まとめ:STINGER】
Photo by Force India F1 Team