F1/モータースポーツ深堀サイト:山口正己責任編集

木曜日恒例のドライバー記者会見。今回は、次の6名が参加。

今回は先週末の日本GPでのマルーシア･F1･チームのジュール･ビアンキの事故を受け、全員が日本GPでの事故への想いに加え、ロシアGPのサーキットについて語った。

フェルナンド･アロンソ（以下、アロンソ）：すごくタフなレースだったよ。もちろん、僕らの想いはジュール（･ビアンキ）と一緒にある。僕らの心はそこにあるよ。僕らは自分たちの仕事に対して大きなリスペクトがあるけど、大きなアクシデントが起きたときは、言葉ではなんと言っていいか言い表せないよ。ただ、（状況を）感じることはできる。さっきも言ったようにタフな週末で、今はここに来てるし、また難しい週末になるよ。心情的にはすごく難しいね。レースに向けて準備するし、彼のためにレースして、可能な限りプロとしてやっていくけど、間違いなく僕らの心、僕の心は今は彼と一緒で、彼のために祈るよ。

エイドリアン･スーティル（以下、スーティル）：言葉にするのはすごく難しいよ。もちろん誰にとっても、僕にとってもすごくショックだよ。本当になんと言っていいかわからない。たぶん、みんなも（あの光景を）見たと思う。とにかく･･･僕らは祈るしかない。それが僕らにできるすべてで、僕らはいい知らせを聞けることを願ってる。

僕らは今、このソチに来て、まだ僕らの上には（心情的に）灰色の雲が立ち込めてるけど、ちゃんとプロフェッショナルに取り組んで、もっとプロフェッショナルにレース･ウイークエンドに取り組んでいって、それからムードを少し変えていかないといけないけど、まだみんなへの影響はある。僕の想いも同じだよ。最善を祈るし、彼のためにレースをするよ。

フェリペ･マッサ（以下、マッサ）：僕にとっては人生で最悪のレースだったよ。最悪のレースで、僕がアクシデントに遭ったレース（2009年のハンガリーGP予選で飛んできたスプリングがヘルメットを直撃して重症を負った）以上に最悪だった。あの時は僕は覚えてなかったからね。僕にとっては人生で最悪のレースだった。彼のことが頭を離れないし、ジュールのことを考えてる。毎日がすごく難しいよ。僕ら全員にとって難しい週末だった。たぶん、明日は仕事に戻れるし、そっちに集中できるから、いくつかの問題は頭の中にしまっておけるハズで、少しはよくなりそうだよ。彼とその家族のために、僕らはレースでベストを尽くすことができる。とにかく、僕にとっては人生で最悪のレースだったよ。

ダニール･クビアト（以下、クビアト）：僕にとってもショックだった。レースが終わったあとに、あんなに大変なニュースを聞くとは思ってなかったよ。僕の願いは、ジュールのいい知らせ、ポジティブなニュースを聞くことだよ。彼の回復を本当に祈ってるし、大事なことはそれだけだよ。こういうことは長いこと起こってこなかったし、僕らF1全体がジュールの回復を願ってる。今は彼のことを頻繁に思い出して考えてるんだ。みんながそうしてるみたいにね。僕ら全員が彼を応援するために団結してる。話すことがもうないから、ここで止めておくよ。

ジェンソン･バトン（以下、バトン）：みんなの意見を聞いてみて、みんな同じ意見を繰り返し話すことになりそうだね。僕らの仲間の一人がそういった目に遭ったってことを知るのはすごく恐ろしいことだよ。たった一つ言えること、一番大事なことは、彼の回復を願って、僕らの想いは彼と一緒だってことだよ。F1にいる誰もが同じように感じてると思うよ。

セバスチャン･フェッテル（以下、フェッテル）：まず最初に、あれは僕らすべてにとってすごく難しいレースだったってことを考える必要がある。僕はここまでに出てきたほかのドライバーたちの意見に加えて、どれだけ難しいレースだったかってことに関して、これまでで一番飲み込むのが難しいレースだったと思う。ミスする余地がほとんどない、本当にすごく難しいコンディションだと思う。ジュールにとって、あの時は間違いなくすごく小さかった。加えて、すごく不運な状況から、大事故につながってしまったんだ。現時点で、僕らはみんなジュールと彼の家族のことを想ってる。

アクシデントに関しては、すごく難しい事故だったと思う。今はいろいろ進められてるけど、何かが起こったときはいつも、次のために学んだり、そういったことが再発しないようにするチャンスが必ずある。それに僕らは、僕らがレースしてるマシンとその速さは、そうだね、アクシデントが起こりえるものだってことを理解しないといけない。ただ、さっきも言ったように、本当に運の悪い状況でマシンのコントロールを失ってしまったときは、いつもとはまったく違う種類のクラッシュにつながってしまっうってことはハッキリしてるよ。

クビアト：ここの雰囲気を見ての通り、僕らの想いは日本（で治療を続けるビアンキ）にあるし、複雑な気分だよ。しばらくはこの感じが続くだろうね。ほかの面から見ると、もちろん、僕のホームGPだよ。ここで見たことに対してすごくうれしく思うよ。大きな建物、大きなトラックと、10年前に僕がキャリアをスタートしたとき、僕らはこうなることを夢にも思わなかったよ。実現するともね。僕にとって特別な瞬間なのは間違いないし、ロシアでレースするのは初めてなんだ。最後（にイベントを成功させるの）は僕らの仕事だし、長いことやってきたようなことを、ここでも続けるよ。

スーティル：到着したときに、いい意味で驚いたよ。モスクワ上空を飛んできたけど、問題なく到着できたしね。僕らをすごく歓迎してくれるてる。ホテルに直行したからあんまりあれこれ見たわけじゃないんだけど、ホテルはすごく大きくてすばらしかったよ。インフラもしっかりしてるし、トラックはすごく近代的で、走るんが楽しそうだよ。まだサーキットを歩いてないし、あとで歩いてみるよ。僕と僕のチームにとってはサーキットの情報があんまりないんだ。僕らはシミュレーターを持ってないからね。だから、（シミュレーターがないので、）僕らにとっては、金曜日の午前中に本当に初めて走ることになる。新しいサーキットがカレンダーに加わるのはワクワクするね。上手くいけば、たくさんのファンが来てくれて、すばらしい雰囲気をかもし出すナイスな週末になるかもしれない。だから、ここまではいい状況だよ。楽しみだね。

マッサ：エイドリアンに完全に同意するよ。来られてよかったし、いいサーキットだと思うよ。インフラはかなりいいし、そうだね、ここまで見てきたところはかなりポジティブだよ。（ロシアの）みんなのため、ファンのためにいいレースをしたいね。明日になればトラックに対する考えがもっとハッキリするだろうけど、かなりよさそうだし、かなり楽しそうだよ。ロシアのすべての人たちやファンにとっていい週末、楽しい初めての週末、初めての体験にしたいね。ここで初めてのF1を楽しんでもらいたいよ。

フェッテル：そう、走ってる。インフィニティのプロモーションで数週間前にも来たよ。ここでクルマ（インフィニティのロードカー）を走らせて、トラックを見るチャンスがあったんだ。正しい妥協点を見つけるのが難しいトラックの一つだと思うよ。たくさんのコーナーがあるし、それだけじゃなくてロング･ストレートもたくさんあるからね。特に、スタート/フィニッシュ･ラインがあるストレートはかなり長いからね。ストレートでは間違いなく速さが必要だけど、全体的には面白いトラックに見えるね。90度のコーナーが多いし、特に、（ターン）2と3が面白いチャレンジになりそうだよ。オリンピック･パークの周りを走るのもユニークだね。確かに、さっきも触れられたように、先週のイベントでちょっとナーバスな雰囲気になってるけど、はじめでのロシアGPに間違いなくワクワクしてるし、最初のグランプリに参加できるのはすばらしいよ。

アロンソ：みんなに同意するよ。新しいチャレンジだから、新しいサーキットに行くのはいつも気分がいいね。エンジニア、ドライバー、チーム、そのほかの
人たちと、誰にとってもそうだろうね。ただ、特に僕らのチームにとっては（フェラーリの育成プログラム出身の）ジュールのキャリアはずっと近いところにあるし、特につらい週末だよ。僕らはプロフェッショナルでなければいけないし、最高の方法で働かないといけないから、とにかく彼のためにレースをするよ。僕らは強いチームだってことを示す必要があるからね。ただ、タフになりそうだよ。

バトン：そう、シミュレーターで数周走ってみたよ。まだサーキットを歩いてないけど、数時間以内に歩いてみるつもりだよ。僕らはみんな新しいチャレンジを楽しみにしてると思うし、これは間違いなく新しいチャレンジだよ。今週末で一番大事なのは、僕らがいいショーを見せるってことだね。いつもそうだけどね。新しいサーキットの初年度は、上手くいけば、グランドスタンドを満足にして、サーキットでいいバトルができるかもしれないね。それが僕らが望んでることだよ。