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ホットライン 2015 Round8 / オーストリアGP–その2/3◆キミとフェルナンドがコーナーで絡んだ

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羽端:オープニング・ラップで、キミ(ライコネン)とフェルナンド(アロンソ)が、絡んだ挙げ句にガードレールに激突してしまって・・・・。
STG:ちょっとビックリしました。二台が折り重なる格好になって、なんかテレビゲームみたいじゃないか、と(笑)。まぁ、今では笑えますけど、アロンソのマクラーレンのアンダーパネルの角が、ライコネンの手のすぐ上を、剃刀でそぎ取るようにス〜ッと通過するリプレイ映像をみて、ちょっとゾッとしました。

羽端:おおー、そうでした! あの現場って、けっこう高速のコーナーですよね? 5速で踏んでいくところ?
STG:高速と言えば高速。どうやら原因は、ライコネンが振られて、アロンソが避けようもなく後ろからつついて絡んでしまったようでした。

羽端:それで、ちょっと気になることがあって・・・・。どうも、後方にいたフェルナンドが押しちゃったとか、そういうことではなく、キミのクルマが何故かホイールスピンして、ドライバーの意図と関係なく動いてしまった。そこに、運悪くフェルナンドが来て・・・・。
STG:確かに。カナダでも、ライコネンはヘアピンの立ち上がりでスピンしたし。

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羽端:ええ、キミが、ね。今回も、原因となった(と思われる)キミは、報道によればですけど、何が起こったのかわからないといった意味の証言をしています。予測してなかったから対処もできなかった、というか、何もしなかった。ありゃ何だこりゃ?と思ってる間もなく、フェルナンドが高速で来ちゃったので。
STG:コーナーの立ち上がりのアクセルオンでスピンする、というのは、素人がよくやるミス。しかし、キミほどのウデマエなら、コントロールできるはずだし、そういう事態を予測してアクセルを操作するはず。それがそうできないとなると、キミはまだ完璧にパワーユニットに自分の感性をフィットさせきれていないのかも、ですね。

羽端:コーナーのエイペックス付近・・・・ですよね? そのあたりで、仮にアクセルを早めに踏みすぎたとしても、そのくらいのことだったら、あのレベルのドライバーたちは多少リヤが暴れても、難なくまとめると思う。ましてや、ラリードライバーの(笑)キミですからね。でも、そのキミが対処できなかったというのは・・・・?
STG:ですね。

羽端:これは得意の妄想ですけど(笑)、やっぱりハイブリッドが”何かした”んじゃないでしょうか。回生のブレーキが(リヤの)片方にだけ掛かってしまったとか。アクセル開度、つまりドライバーのイメージ以上に”電動パワー”が後輪を駆動してしまったとか。
STG:キミの感覚が鋭すぎて、ハイブリッドが着いてこれない、とか?


◆フォーミュラ・ワンに「電動」コンセプトは必要なのか?

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羽端:それで、ここから先は個人的な意見ですけど、F1に「電動」を導入する。つまり「ハイブリッド化する」のは、もうやめたらどうかと思う。「withモーター」「with電動」というコンセプトでレースをやろうとするから、パワーユニットが超・複雑怪奇になって、巨大メーカー同士のメカ&システム戦争になり、その戦いをリードしているメーカーのチームが、パワーユニットだけでどんどん勝っていく。
STG:ドライバーの戦争ではなくて、ということですね?

羽端:ええ、そうです。ル・マンとかそういうレースであれば、メーカー間のチームバトルを見るのも愉しみのひとつですが、フォーミュラって、そもそもは、ドライバーズ選手権でしょう?
STG:まさしく! 基本的に、例えば、1970年のF1のチャンピオンは?といえば「ヨッヘン・リント」ですけど、じゃ1970年のル・マンのウィナーは? といえば、「ポルシェ」と答えるのが普通。でも、現在は考え方が、若干その基本からズレちゃってますね。まぁ、時代の流れでしょうけど、F1はドライバーのチャンピオンシップ、WECはメイクスのチャンピオンシップという基本は護られるべき、と私はいまでも思っています。

羽端:電動コンセプトを採り入れて、レースでも”エコする”。そういうのは、既に「フォーミュラE」があるので、それに任せてですね。F1は単純に、エンジン(内燃機関)駆動のみによる競走にする。そうすれば、いま参入している四メーカーは勝負しやすいだろうし、その結果としての四社間のエンジン勝負も、見ておもしろいものになるのでは?
STG:ただし、”世間”はもっと分かりやすい理由というか、いいわけでもいいけれど、それを要求しますからね。

羽端:エクスキューズ、みたいなものですか?
STG:例えばホンダに限らず、日本の多くの関連メーカーの勘違いもその辺りにありそうな。

羽端:ははあ・・・・。
STG:F1のエンジン、いやエンジンに限らず、タイヤも、それから抵抗や重量を極限まで突き詰めて減らした各部にしても、もともとF1は凄まじくエコなんだけれど、外からはそう見えない。なので、”そう見えるような”規則が必要なのだと思います。

羽端:そうであるように? 誰にでもわかるように見せる?
STG:まぁ、誤解を避けたい、というか。そもそも、F1を中心とする世界選手権の必要性は、人間なら誰しも競争意欲があって、放っておくと戦争になっちゃう。なので、そうならないように、いわば技術発達欲の捌け口として、テクノロジーの闘いでなければならないと、まぁ、そんな感じに考えるわけです(笑)。


◆もし、人間のハイテク志向を放っておくと……?< /b>

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羽端:フム、「放っておくと戦争になる」・・・・まではわかる気がする。で
も、ローテク(でレース=技術競争をやる)だと、どうしてダメなんです
か?
STG:どこかにも書きましたが、F1は平和の使いなんですね(笑)。

羽端:おお!
STG:技術者の叡智を出したがるエネルギーを昇華できる舞台としてのモーターレーシングという見方です。

羽端:ははあ、一種のガス抜き? 人間はヘンな叡智があるから(笑)そのまま放っておくと、ハイテクに向かいたがる?
STG:そうそう、それです!

羽端:その「ハイテク競争」の極致が「戦争」で?
STG:だから、高度なレベルでのモーターレーシングやレースという場で、その「ハイテク競争」が行なわれれば──。

羽端:人は、ほんとの「戦争」をしなくて済む?
STG:です、です! だから、ローテクな競争ではダメなんですね。

羽端:ははあ! アメリカのレースはテクノロジー的にはローテクだから、そこ(レース)ではその種の志向が昇華されず、ゆえに彼らはホンモノの戦争をしたがるのか?(笑)
STG:あはは、だからあの程度で納まっているとも考えられる(笑)。

でも、アメリカのレースは、特にナスカーのストックカーなんて、鉄ホイールに規制したりして、テクノロジーを抑えているように見えるけれど、実際には実に緻密で、エンジニアリング的には猛烈なハイレベルの闘いをしている。ある意味それも、ローテクに見せているのに騙されちゃってるかも、ですけどね(笑)。



Photos by
Ferrari S.p.A / FERRARI MEDIA(フェラーリ)
McLaren Honda/LAT Photographic(マクラーレン)
Infiniti Red Bull Racing / Getty Images/Red Bull Content Pool(F1のフラッグ)
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