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マクラーレン・ホンダの現状 / ホットライン 2015 round9(2/2)

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◆マクラーレンとは? そしてホンダの現状は? 

羽端恭一(以下、羽端):ところで、マクラーレン・ホンダの話は、今回はやめにしますか?(笑)
STINGER(以下、STG):折角10位”入賞”だったのに?(笑)。

羽端:それは、上位が消えたというだけだったのでは?
STG:いや、ちょっと皮肉がきつかったですね。単に10位じゃ、喜べないはずで。6日の新社長会見の時に、代表者が曖昧なコメントをするので、夢の持ちようがない、と質問しましたが、うまく質問の意図が伝わらず、”とにかく早く勝ちたいです”というのが八郷社長のお答えでしたが。

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羽端:それにしても、ドライバー二人はエラいと思いますねえ。何の文句もいわずに、少なくとも表面上は。そして、ひたすら遅いマシンを操って──。
STG:何度も言っているように、想定内というか、簡単には行かないことが分かっているからだと思います。新井代表が、早く、彼らと同じ意識レベルのコメントをしてほしいと思いますね。

羽端:テストの年だというんだったら、俺たちじゃなくてテストドライバーでも使ってろよ・・・・とか、一瞬でも思ったりしないんですかね?(笑)。
STG:想定内だから、そんなことを考えることはないと思います。

羽端:オトナだなあ! あ、だからF1ドライバーになれたのか?
STG:ではなくて、想定の内だから、認識ができているだけだと思います。マクラーレン・ホンダを第二期のセナ/プロスト時代と同じと解釈すると、怒りたくもなるけれど、そうじゃないことを分かっているだけだと思いますよ。

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羽端:あの、ひとつ不思議に思うことがあるんですよ。「マクラーレン」というチームなんですけど。
STG:マクラーレン・ホンダじゃなくて?

羽端:ええ、「マクラーレン」です。あのぅ、このチームは、そのへんのF1チームとは・・・・なんていうと、そのへんのチームに怒られそうですけど(笑)。たとえば、ほんの数年前に設立したとか、資金繰りにも苦労してますとか、そんなチームではないわけですよね?
STG:資金的にも貧乏チームではないですね。

羽端:・・・・で、そういうチームが、仮にですが、今年から積んだエンジンが、すごくタコだったとします。あくまで、仮にね。ホンダがどうとかじゃなくて(笑)。
STG:ウム?

羽端:つい去年まで、チャンピオンとか表彰台を争っていたチームが、今年は、ひどいエンジン(パワーソース)しかなかった。そうだとして、ゆえに、本年は表彰台争いはできなくなりましたと、そういうのならわかります。あるいは、中団に埋もれてますとか。

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STG:あ、そこが実は勘違いで、去年と一昨年のマクラーレンは、表彰台がたった1回だった。

羽端 あれ、そうでしたっけ?
STG:それを忘れている方が多くいます。特に、1988年のようなマクラーレン・ホンダではないです、全然。

羽端:そうかあ・・・・。今年のマクラーレンって、年度が変わった途端に、いきなり、新興チームのマノーと最下位争いしてると思ってたけど。
STG:そこまで言うと言い過ぎだけど。でも、イメージされてるほどには、強くも速くもなかったのは事実。近年は、ね。

羽端 なるほど。あ、だから言おうとしてたのは、仮にパワーソースがダメだとしたら、車体の側で、それをカバーできないのかということ。レッドブルにしたって、そうやって今年は(エンジンを)ガマンしながら、辛うじて中団の上位で闘ってるはずなので。それなのに──
STG:いや、基本として、パワーソースがちゃんとしていない限り、クルマがそもそも走れないから、セッティングができない。

羽端 あ、そういうことか。
STG:それは去年と今年のレッドブルをみれば一目瞭然。4年連続チャンピオンが、ルノーの力不足であれですから。

羽端 ウーム。
STG:さらにマクラーレン・ホンダは、不調以前の問題と思います。レッドブルは、パワーユニットが非力で遅い。マクラーレンは、走れないからなにもできない、という見方になると思います。で、さらにもともと、去年と一昨年の成績(2年間で表彰台1回だけ)ですから。最強のメルセデス・パワーユニットを搭載していたのに。

羽端 なるほど。じゃあ、もうひとつ、「マクラーレン」についての疑問。いまは、開幕してもう8戦目とか9戦目という時期。でも、闘いながら、何も変わらない。あるいは、変えることができない。これは、なぜなのか。もちろんこれも、マクラーレンが「有力チーム」であるはずなのに、という前提での疑問ですが。
STG:それもそんなに疑問を持つほど難しいことではなくて(笑)、単に、走れない → セッティングが煮詰められない。

羽端 そうか、レーシングカーを走らせるレーシング・チームですもんね。それが「走らせる」ことが、そもそもできなければ・・・・。
STG:でしょう?(笑)

羽端:まあ、そういったことも含めて、今年は「おもしろい」ですけどね。いま話題にしたチームも含めて、果たして、どう

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いう風に「物語」が展開するのか。
STG:まずは、ホンダ陣営が、F1のクォリティを認識することではないでしょうか。開発や現場で闘っている人たちのレベルは、そうそう低いわけではないと思います。いや、ベースが固まれば、やってくれるはず。でも、予算が少ないのかどうか知りませんが、新井さんの発言は、F1のレベルをなめているというか、少なくともリスペクトしているようには、私には見えないのが残念です。

羽端 ははあ。自信は持ってもいいけど、それがいい方向に作用しているとはいえない、と?
STG:八郷新社長は、スローガンとして”チームの強化”をあげていました。いやこれはF1の話ではなくて、ホンダ全体の構想です。F1もその仲間に入れてほしいです。

【西湘-西八王子】

Photos by
[STINGER](八郷社長)
McLaren Honda/LAT Photographic(その他)
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