ホットライン 2016 round10 / イギリスGP–ハミルトン・デー!!(2/2)
(1/2からつづく)
◆マクラーレンが期待ほどではなかった?!
羽端恭一(以下、羽端):シルバーストンって、パワーで勝負だぜ!的なコースだと思いますが、こういうところって、メルセデスはやっぱり、イヤになるくらいに(笑)速いですね。
STINGER編集長(以下、STG):そうでしたね。ただ、その速さは、直線で勝負がつくのではなくて、ダウンフォースだけでなくメカニカルグリップが優れていて、そしてタイヤへの攻撃性を含めた総合的な性能が高いことが分かりました。車載カメラを観ていても、高速コーナーが連続するシルバーストンでも、姿勢がぎくしゃくすることがまったくない。高速区間でも扱い易そうに見えましたね。
羽端:ということがわかったんですが、同じように、マクラーレン+ホンダはこういうトコでは厳しいんだな、ということでした。
STG:いや、今回は、パワーユニットのアップデイトもあったし、そう悪くなかったと思います。ただ、たとえばジェンソン・バトンが、マシントラブルで予選アタックができないでQ1敗退という不運もありましたしね。
羽端:ウィングのステーが折れたんだか取れたんだか?
STG:それが原因で二度目のアタックに出られなかったようですね。
羽端:何だかなあ。しっかりしてくれ、マクラーレン!
STG:そうなんだけれど、これまでパワーユニットが力不足でどれだけ足を引っ張ったかを考えると、そこを言い出すのはどうかな、と思いますね。
羽端:ただ、今回はマクラーレン側も「ホンダに敬意を」という内容のコメントをしていて、これは気持ちよかったです。
STG:ブーリエが、「ホンダにも敬意を表したい。週末を通してパワーユニットはスムーズだった」というようなことを言ってましたね。続けて、「次はまがりくねったオンガロリンクだから、シルバーストンよりも我々のマシンパフォーマンス領域には合っている」と期待のコメントもしていますね。
羽端:そうそう!
STG:まぁ、まだまだパワーが足らない、と。しかし、ドライバーやチームは、どんなにパワーがあっても、勝てないうちは、モワパワーを要求しますから(笑)。
◆恐るべき18歳、マックスが躍進!
羽端:そして、ついにマックス(フェルスタッペン)がリカルドよりも上位に来ました!
STG:予選でリカルドより前だったのは初めてでしたね。
羽端:恐るべき18歳ですね。
STG:本当に! スペインGPでレッドブルに乗っていきなり優勝してるし、その後、イギリスまでの6戦で3回表彰台。そこでの受け答えを聴いていても、とても18歳には見えない。
羽端:ウェットもまったく苦にしないみたいだし。
STG:それはむしろ若さですね。なので、何度か危うい場面があったり、スピンもしているし(笑)。
羽端:なるほど。そしてマクラーレンと同じように、オンガロリンクはレッドブル向きだとも思うので、レッドブルにはハンガリーでは、フェラーリと競るだけではなく、メルセデスと互角に闘ってほしい。
STG:う〜ん、どうでしょうね。パワー的に、メルセデスに比べて見劣りしなくなる、というだけで、逆に、低速だと優れた空力性能が活かせないかも。
羽端:あ、そうか。レッドブルが良さそうなのは、むしろモンツァかも。それと、そもそもフェラーリが、どのサーキットであれ、もっとメルセデスを慌てさせてほしいです。
STG:ところが、モンツァは、以前、可夢偉が、「平均速度が高い低速コース」と言っていたように、実はダウンフォースが効いてくるコーナーがない。もちろん、直線から超スローコーナーにアプローチする1コーナーのブレーキングコーナリングでは、ダウンフォースは必要ですけど。
羽端:そうか。
STG:ではあっても、中盤戦に向けて、戦いが面白くなっているのは間違いない。是非とも、その面白さに、マクラーレン・ホンダが加わってほしいところです。
羽端:同感!!
(完)
[STINGER]
Photos by
McLaren Honda/LAT Photographic
Red Bull Racing / Getty Images/Red Bull Content Pool