佐藤琢磨 武藤英紀 インディ・ジャパン300マイル 来日会見・全録 1/3
武藤英紀(左)と佐藤琢磨(右)。
◆アメリカでのレース参戦は、発見がいっぱい!
—-インディカー・シリーズが開幕して、二ヵ月が経ちましたが?
佐藤琢磨(以下、琢磨): そうですね、まったく新しい環境で、アメリカでの生活も初めてなんですけど。アメリカでのレースを一戦一戦、新発見が多くて、驚きも多いですけど、徐々に手応えも感じて、まあ、ここまでやって来たなという感じです。自分にとっても、まったく新しいチャレンジなので、すごく楽しくやってますね。
—-これまで乗ってきたクルマと較べて、インディカーはどこが違うか、また驚いた点、楽しい点など?
琢磨: そうですね、クルマはたしかに違います。たとえばF1とは、重さだったりパワーだったり、まあ大きく異なるんですけど、でもそれ(違い)自体は、F1でも当然、毎年クルマは変わるし、そういう意味では、大きな違いというのはそんなにないですね。
ただ、インディカー特有のオーバル・コースだったり、あと、レースそのものが、スタートからして違いますよね? インディカーはローリング・スタートなので、そこから違うし。だから、ほんとに発見は多いですね。
ただ、サイド・バイ・サイドのバトル、あと、追い抜きというのは、インディカーの方がすごく多いように感じるので、そこは(僕が)一番楽しんでるところです。
◆オーバルはルーキー、最初は恐かった!
—-先日のレース、佐藤さんにとっての初オーバルでしたが?
琢磨: これまでと全然違う雰囲気で、最初にカンザスのオーバル・レースが始まる直前に、ルーキー・テストというか、オーバル初体験のドライバーを集めて、半日間、テストをしたんですけど。
そこで最初にオーバルに出て行って、コーナーを二つ三つって抜けたときには、最初、すごく恐かったですね。これまでにも、(時速)300キロちょっと、330、340というのは体験してるんですけど、でも、いきなり(時速)350キロオーバーでコーナーに入っていくというのは、これまで体験したことがなかったので、最初はすごく不安だったというところはあるんですけど。
でも、すぐに、楽しめたというか、単独で走る分には、割りと安定してスピードアップできたかなという感じでした。
—-オーバルでのタービュランスの問題は?
琢磨: そうですね、単独で走る分には大きな問題は起きないんですけど、やっぱり、その速度域で、密集した集団のなかで走るというのは、すごくむずかしくて・・・。
ぼくも、そのレースが始まって、予選の直前に、他のドライバーと一緒に走って、驚きましたね! やっぱり、バンクを走っていて、そしてあるクルマに追いついて行って、内側と外側では、全然気流の流れが違う。だから、自分をどこにポジショニングするかで、クルマの挙動が変わってくるんで、そのあたりは、ともかくレースを闘ってみて、覚えていくしかないなと思いました。