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【特別企画】 拝啓トヨタ自動車様 4)原点に帰り考えるべき 4-2/2

◆調査不足/プレスリリースの名文句
“他に先駆けていち早くピットイン”。これは、今でも語り種になっている御社のリリースの一文です。

グランプリ会場のプレスルームでは、チームごとにプレスリリースが配られます。同時に、各チームのwebサイトのメディア向けページにも配信されます。各チームから出る内容ですから、チームやスポンサー&パートナーに都合のいいことだけが書かれ、本当のことが書いてあるかどうか疑わしとも言われていますが、最近では、かなり正直なコメントも掲載されるようになっています。そのリリースの中で、御社のリリースは、デビュー時代から変わらぬある傾向が見られます。

通常リリースは、内容や情報が真実なのか建前なのかは別にして、プレス関係者向けに発信されますが、御社のリリースは、我々報道関係者に出されているのではなく、日本の本社向けではないかと思われる内容が数多く見られます。つまり本社へのご機嫌伺いリリースではないか、と。最たる例が、上に挙げた2004年のサンマリノGPの決勝レース後に出たものでした。正確な内容を記憶しているわけではありませんが、データを調べていただければ以下の内容が確認できると思います。概要はこんな感じでした。

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予選10番手を奪ったパナソニック・トヨタF1チームのオリビエ・パニスは、ダッシュよく飛び出して数台をパス。10周目に、他に先駆けていち早くピットインした。
・・・

予選10位だったのは、マシンポテンシャルが高いからではなく、燃料が軽かったからでした。今年もそうでしたが、グリッドポジションを決める予選では、決勝レースに備えて、ある程度燃料を積み込んでスタートします。だから、レースを有利に進めることを考えると、それなりに重い燃料を積んでいるべきです。身重なライバルに対して身軽なら予選タイムが速くて当然、スタートダッシュもよくて当たり前。だからスタートで何台か抜けるのが道理です。

そして、燃料を少ししか積んでいないのだから結果として早くピットに入らなければならなかった。それを”他に先駆けていち早くピットイン”とは、よくぞ考えたと感心しました。ゴールしたら13位でした。多分本社では、”いいところまで行っていたのに惜しかった”と思ったかもしれませんが、それは実体がまったく伝わっていない結果の解釈でした。

2005年にラルフ・シューマッハが鈴鹿でポールポジションを取りましたが、それは当時の予選形式の結果でした。当時の予選形式は、アタックの順番が後ろにいくほど速いドライバーが走ることになっていたのですが、R.シューマッハが走った直後に雨が降り、そこからあとの”強豪”、つまり、普通に走ればポジションが上にいくはずのドライバーは条件的に好タイムは望めない状況だったのです。だからトヨタのR.シューマッハはポールポジションが取れた。つまり、レースは厳しくなることが理解できていなければならなったのですが、レース後に、多くの御社関係者が悔しがるのを見て、状況がよく理解されていないことが認識できました。これは、チームから御社に正しい情報が伝わっていなかったほんの一例です。

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