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佐藤琢磨 インディカー・シリーズを”deep”に語る 2/4

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◆つねに”コーナリングしている”オーバル、タイヤの減りも・・・
琢磨: また、タイヤが減っていく感覚というのも、ロード・コースとはまた違って・・・。タイヤが休むところがないので、つねにコーナリングしているので、何というか、リアルタイムで(タイヤが)減っていく感覚というのがわかるんですね。

前後のタイヤがどう減るか?というのは、前後のバランスの問題なんですけど。(インディカーは)F1と違って、アンチ・ロール・バーの調整がコクピットのなかからできるので、それをやりながら、あと、右後ろの──何ていったらいいんですかね、車高調整があるんですけど、それをやりながら・・・。それは、電気的に(調整して)、ルールとしてできることになっていて、そうやって「接地荷重」を変えられる。

そういったツールをいろいろと使って、試しながら、レースを闘ったこと。それがオーバル・レース初体験の印象ですね。でも、すごく、楽しかったです、はい!

—-スポッターであるロジャーとのやり取りは、当然、日本語ですか?
琢磨: いえ、英語です、彼、アメリカ人ですから(笑)。・・・というのは冗談ですが、ただ、チームとして、全体で(レースの状況を)把握しなければいけないので、そういう意味で英語です。ぼくとの間だけでいえば、日本語を使ってもいいんでしょうけど、でも、そうすると、チームがついてこられなくなっちゃうので、たぶん(ロジャーは)日本語では話さないですね。

◆カート時代からの友人、武藤英紀
—-武藤選手については?
100518STI-5.jpg琢磨: 記者会見でもおわかりだったかと思いますが、ほんとに、仲はいいです。もちろん、ライバル意識もありますし(互いに)負けたくないという気持ちはありますけど、それ以上に──とにかく二人で、アメリカのシリーズを闘っていくなかで、お互い、リスペクトし合った状態のなかで、いい関係でありたいということを思っているので、ほんとに、接しやすい。

ぼく自身がカートを始めたときは、(僕は)大学に行っていたので、武藤くんはまだ中学生で、ほんとに子どもだったんですけど(笑)。
でも、そんななかで、何ていったらいいのかな、(彼はみんなから)一目置かれた存在だったですね。

それは、(彼が)スピード的に、圧倒的に速かったというのもあるんですけど、ショップが──ちょうどあの頃、データ・ロギングというのが始まっていて、まだみんな、持ってなかったんですけど、彼のマシンには、ショップが付けたロギング・システムが付いていて、大人三人がかりで、データをとっていて、武藤くんは、ただ(クルマに)座っているだけに見えた。実際にはそうではないんだけど、ワークスみたいというか・・・。

でも、ビレルの新しいフレームなんかが(彼のクルマには)入っていて、ワー、すごいな、と。・・・で、走ったら、速いし! ・・・で、ぼくが行くとこ行くとこ、つねに(彼が)いるんですよね(笑)。「東」でも「西」でも、ローカルなサーキットでも、練習でも、いつも一緒なんで、何なんだろうと思ってたんですけど。

でも、実際に「地方戦」が始まってみたら、お互い(地区の)トップで走り出して・・・。そういう意味で、すごくいいライバル関係で。

そして、ぼくがイギリスで走りはじめたときには、彼も(僕の)応援に来てくれたりして。ほんと、ロジャー選手と一緒に、よく、来てくれていて。三人、カテゴリーは違えどイギリスで頑張る同士、みたいな。そういう”きずな”があって・・・。

その後、武藤くんは日本に戻って、トップ・フォーミュラを始めて、そしてGTをやって、アメリカに渡って・・・という軌跡は、ぼくも応援していたので、こうしてまた、同じフィールドで走れるというのは、ぼく自身にとっても、すごく嬉しいことだし、(今後も)楽しみにしてましたね。

あの、オーバルでは二種類のドライバーがいるって、アメリカでは、よくいわれるんですよ。ひとりは、クラッシュしたドライバー。ひとりは、クラッシュしに行くドライバー。つまり、どっちにしても、オーバルでの事故(アクシデント)は避け切れないということの”たとえ”なんですけど。

その(武藤と琢磨のクラッシュの)最初のひとつが、ああいうかたちで、非常に「ソフト」で終わったので(笑)、ぼくとしては、あれは、最初で最後に・・・。

そして、武藤くんと「絡む」というのは、最悪のシチュエーションなんですけど、でも、無意味なバトルをして絡んだわけではなく、二人とも行き場を失ったというね、これがオーバルの、ほんとにむずかしいところだと思うんですけど。

佐藤琢磨 インディカー・シリーズを”deep”に語る 3/4に続く

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