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ロータス 「E20」 解説

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テールパイプ出口をサイドポンツーン前端にレイアウトし、排気を横に向けて吹き出すという斬新な設計を取り入れたロータス・ルノーR31だったが、
排気の空力的利用を禁止する規則が導入され、路線変更を余儀なくされた。排気をリヤでなくフロア中央部に吹きつけると、オン/オフ時のダウンフォースの前
後バランスに変動が少なく、パフォーマンスに有利に働くというのがフロント・エキゾースト採用の理由だった。「伸び代がある」と踏んだものの、予想以上に
伸び悩み、シーズン序盤は好調だったものの、その後は停滞。周囲が性能を上げたので、相対的には失速した。

チームの本拠地があるEnstone(エンストン)のEに由来するロータスE20のフォルムは、R31のそれと重なって見える。フロント・エキゾー
ストがなくなった代わりに、アッパー・ウィッシュボーン前側アームの付け根付近にテールパイプ出口を配置した。「規則で禁止されようとも排気の力を可能な
限り利用するよう考える」と副テクニカル・ディレクターの徳永直紀氏は昨年中に明言していたが、これがその回答だろうか。他チームとの比較では、やや中央
寄りのレイアウト。高速の排気はリヤウィングに向けて吹きつけられているように見える。

本来ならロータスは、2011年のフロント・エキゾーストに匹敵する過激なアイデアをE20に投入する予定だった。リアクティブ・ライドハイトがそ
のアイデアで、ブレーキング時にブレーキユニットに作用する力を利用して機械的にプッシュロッドを伸ばし、フロントのライドハイトが過度に沈み込むのを防
ぐ機構である。制動時の空力性能を安定させるのが目的だった。

ところが、新車の発表が間もなくというタイミングで規則違反であると判断され、お蔵入り。リアクティブ・ライドハイトはサスペンションの一機能ではなく、可変空力デバイスとみなされたのが、禁止の理由。E20は牙を剥く前に引っこ抜かれた格好だ。

飛び道具なしでもE20はトップグループを脅かすパフォーマンスを発揮することができるだろうか。2011年に苦しんだ熱対策が解決できているかどうかも、チームの浮沈を左右することになりそうだ。

【STINGER / Text by Kota Sera(世良耕太)】

「E20」の大きい写真はこちら(WEB専用ページです)。
http://www.f1-stinger.com/f1-data/2012/machine/lotus/photo_gallery/index.php?pid=00

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