小林可夢偉 予選後･会見全録【ベルギーGP(土)】1/2（テレビ会見）
「あの走りで”二番”とは、ちょっとフシギな展開（笑）。明日は、考えずに、普通に、レースします！」
◆Q3では開始早々にタイムを刻んだ･･･。
—-Q3では、すぐにタイムを出して、チームの方も、そのタイムで”あそこに留まれるとは思ってなかった”とコメントしてますが?
可夢偉:ぼくも、あんまり、そうは（留まれるとは）思ってなかったですけど（笑）。･･･というか、Q1、Q2で、うまくクリアラップを取れなかったんで、確実に（クリアラップを）取れる方法は、早めに出るということだったので。
もちろん、そんな”究極”を狙ってたわけじゃなかったんで。まさか、あんなタイムが出るとは。
—-走っていて、セクター･ワンが終わって、たぶんスプリット（タイム）を見たと思うんですけど、そのあと、セクター･ツーに入って、そしてあれだけのタイムが出た?
可夢偉:まあ･･･。
—-（1分）47秒3でしたっけ?
可夢偉:けっこうね、勘違いしてたんです、ぼくは。あれでも、今日の朝のタイムから、「コンマ2くらい早いタイムかなあ?」って思ってて。それで、最後の方は、諦めながらムリヤリ走ったら、何やら、それが”決まった”みたいで（笑）。
あれで、パッて（コントロールラインを）通過して、「（4）8秒1くらいかな?」って横を見たら、「7」か「8」が絡んできて。「あれ、どこで計算間違えたんやろ」って思って。
—-それは、嬉しい驚きというか?
可夢偉:でも、あんまりクルマが”決まってる”って感じじゃなかったんですね。Q1、Q2、ボロボロやったし。だから、まさか”二番”に入れるとも思ってなかったんで。
あのタイムで、バトンが”7秒６”（1分47秒06）っていうのはわかってたから。だから、ハミルトンが（タイムを上げて）来て、（結局は）”六〜七番”かなあって。そんなふうに思ってたんで、フシギな展開ですよ。
◆トップスリーの記者会見、日本語で、何を喋ればいいんだ?
—-じゃあ、終わって、あそこに並んで（トップスリーの）記者会見場に行ったときは、自分の感情はどうだった?
可夢偉:いや･･･、ぼくは”どうすればいいのかな?”という状態ぐらいで（笑）。
—-それで、記者会見での、あの”かわいらしい発言”になった?（笑）
可夢偉:え?
—-いや、「みなさん、応援していただいて、ありがとうございます」とか。もっと、予選のことを話してくれるのかと思いきや?（笑）
可夢偉:日本語でドーゾ、と言われて、何を言うのかと思って。
*土曜日と日曜日に行なわれるテレビ向けトップ3会見は、まず英語で行なわれ、英語がネイティブではない国のドライバーは、母国語でコメントを述べる時間が与えられる。
—-それで、「明日も、応援よろしくお願いします」なんて。え、それで終わりなのって、（横で）バトンもビックリしてたでしょ?（笑）
可夢偉:何を話せばいいか、わからないし･･･（笑）。”日本語でどうぞ”なんて、何を言うんやろと思って。逆に、ぼく、ほかのドライバーの母国語なんて、わからないから。何を喋ればいいかわからんし、まあ、どうせ、見てへんからいいか、なんて。
—-見てますよ、（日本の）みんな！
可夢偉:あ、見てるんですか? ぼく、放送ではカットするもんだなと思って。だから、これを見るのは、現地にいる日本人だけだなと思って。（日本のファンは）見てないから、いいかなと思って。
—-次から、準備してください。
可夢偉:たいがい、そんなにうまく行かないと思いますけど（笑）。
◆バトンにはついて行けないと思ってる･･･?
—-でも、夏休み明けで、”いい予選”になりましたね。前半戦は、ちょっとアンラッキーなところが続いてましたけど、やっと実力を示した、という感じではないですか?
可夢偉:まあ、こっからですね。明日、これがしっかり続いて、結果を出す ことが、必要とされてるんじゃないかという気がするんで。
—-今日の感触だと、ハード側タイヤ（ハード）での走行はあんまりよくなくて、でも、ソフト側（ミディアム）でロングランをやってないですよね?
可夢偉:でも、みんな（他チームも）ハードはダメでしょ。ロングは、やっぱり、ミディアムの方が絶対にいいと思うんですけど。あとは、まあ、ハードも使わないといけないんで（笑）。どれだけ、それ（ハード）をうまく使って、それで（タイムを）ロスしないか、ということだと思うんですけど。
—-明日、バトンについていく自信は? バトンは、さっき、「向こう（ザウバー）の方が七速が長いから、スリップ（ストリーム）に入ったら、来るよ！」って言ってましたけど?
可夢偉:いや、そこ（スリップ）まで、行けないと思います。”オー･ルージュ”で、たぶん、スラッと（バトンに）逃げられると思います。
でも（決勝は）しっかり闘って、何もないことを願う･･･という感じです。
—-チーム代表のモニシャは、明日は、攻めのレースをしろと言ってましたよ?
可夢偉:ホントですか。まあ、人は簡単に言うんですけどね（笑）。それで（攻めて）何かあったら、ぼくが言われるんです。それが”オトナの世界”ですね（笑）。
—-でも、じゃあ本人は、もう（決勝レースでの）展開とか考えてるんですか?
可夢偉:考えずに、普通に、レースしようかなと。ムリせず。
—-でも、1コーナーまでの距離は短いし?
可夢偉:いや、だからいいんです。ぼくら（ザウバーは）、けっこうスタートは”ヘボい”から･･･。
—-明日のレース、楽しみにしていていいですか?
可夢偉:はい、頑張ります！
【STINGER/Hiroaki Iemura】
