小林可夢偉 会見全録【ドイツGP(木)】2/2(メディア囲み会見)
「単なるポイント獲得ではない、もっと上を目指すところに、ぼくも、チームもいるので──」
◆ひとつのカテゴリーで、こんなにたくさん(50戦)のレースを
—-ここは、ニュルと較べると?
可夢偉:ニュル(のGPコース)は滑るから。ここは、(路面が)あまり滑らないんですよ。
—-ここは、けっこうフロントタイヤに”厳しそうな”サーキットですが?
可夢偉:いや、そんな厳しくないでしょう。たぶん、(前よりも)リヤじゃないですか、意外と。
—-リヤのトラクション?
可夢偉:そうですね。
—-“50戦”は長かった?
可夢偉:いや、短いです。アッという間だった。あ、もう50戦なのか、そんな感じ。
—-早かったということは、何というか、満ち足りてないというか?
可夢偉:いや、50戦ということは”50ウイーク”(50週)でしょ。50ウイークって一年ですよね。・・・って考えたら、丸一年しか(経ってない)ということで。
—-でも、ひとつのカテゴリーで、こんなにたくさん”レースする”のは初めてでしょ?
可夢偉:そう! 奥が深いなと──。人の関係から、何から、奥が深いなと思う。いろいろあるあるなということも(含めて)。
—-それは、ここ数戦のトラブルやプロブレム?
可夢偉:すべて踏まえて、いろいろあるあるな、と(笑)。
—-あの(前回の)レースのあと、いろいろあったりした?
可夢偉:いや、ないですよ。
—-あのあとは、ペーター(ザウバー氏)と何か話しはした?
可夢偉:してないです。ぼく、ずっと”呼びこまれていた”から、250万ユーロの罰金で(笑)。・・・自前? 当たり前やないですか!
—-そういうのって、契約で、事前に決まってるの?
可夢偉:罰金は、ぼく、なんです。
—-でも、チームが明らかに悪いというか、責任がある場合があるよね?(ピットレーンでの)スピード違反とか?
可夢偉:あれは・・・。
—-スピード違反も?
可夢偉:(ぼくが)払いますよ。”250万”はビックリした! 聞き直したもん、え、2500ユーロ?(笑)でも、まあ、ボランティアと思って。
—-あれって、FIA(国際自動車連盟)に行く?
可夢偉:そう、FIAがいろいろ、ボランティアとか(そういうことのために)使ってくれるんじゃないかと思って。
◆前回は”雨レシオ”だったので、リミッターに当たっていた
—-あのぅ、傷口をほじくり返すつもりはないんですけど(笑)。ああいうミスって、可夢偉選手らしくないミスという気がするんですが?
可夢偉:まあ、ね・・・。
—-どういう状況?
可夢偉:状況? 行き過ぎただけですよ。それ以上、言いようがないですから。まあ、また”左前が外れないといやだな”とか、そこで焦ってたというのはあったけど。まあ、ね、しょうがないですね。
—-今回もまた、そういうピットストップはあるわけですけど。前回は、コース上で攻めた結果、ああいうポジションになって、マイケル(シューマッハ)がいてとか?
可夢偉:(前回は)抜けないですよ、レシオが”雨レシオ”だったから。マイケルの後ろになったら、たぶん”終わるな”と思って。
—-とにかく、前に出なきゃ、と?
可夢偉:リミッター、当たるから。(決勝は)雨やと思ってたから。
—-まあ、みんなそうだったけどね。
可夢偉:メルセデスは勝てないなと、リミッター当たってたから。
—-あそこで”攻めた”ことは後悔してない?
可夢偉:まあ、1ポイント、2ポイント取りに行くと言うんやったら別やけど、”ゴバン”(決勝5位)とか、そのへんを目指すのであれば、これからも、攻めないといけないわけで。いま、チームは、そういう状況になってるし。
—-チームの要求レベルも高くなっているということね?
可夢偉:そうそう!
—-今回は、絶対にポイントを取りたい?
可夢偉:取らないと、ヤバいでしょう。
—-いつも以上に、攻める?
可夢偉:攻めますよ!
—-慎重に攻める、ということ?
可夢偉:メチャメチャ、行きますよ(笑)。・・・あのピットレーンが滑るってことはわかってたんですけどね。ただ、(速度が)100キロだというのを忘れてた、60キロだと思ってた。この違いは、けっこう大きくて。
—-フリー走行は雨だったし?
可夢偉:そう、(ドライ状態での)練習ができてなかった。それと、アスファルトの路面でブレーキしてたら、余裕で止まれたんですよ。それを、ステアリング切りながら(ピット路面で)ブレーキングしたので、まるで止まらなかった。ピットまで突っ込むかと思った(笑)。
—-時期的に、いまの時期は、来季のシートの話とかいろいろ出てくると思うんですけど、そういうことを考えずに、結果を出す?
可夢偉:まあ、結果、出すしかないでしょう! それしか、ないし!
【STINGER/Hiroaki Iemura】