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山本左近 木曜日会見全録 ハンガリーGP

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◆レース後に、チームにレポートをメールで・・・
—-ここへは、水曜日に入った?
左近
 昨日の夕方、到着ですね。今週は、月曜日に(家に)帰ってから、すぐ、チームに、ホッケンハイムのレポートを書いて。書くと同時に、洗濯して・・・(笑)。

—-レポートというのは、どういうことを報告する?
左近
 たとえば、こういう週末だったというサーマルと、あと、とくに問題点ですよね。こういうところが問題だったから、こうだったということを書いたり。(書くことは)いろいろですね、クルマのセットアップ、エンジン、ギヤボックス、タイヤも・・・。

—-それは、現場でエンジニアと話すこととは違うことを?
左近
 そうですね、日曜日(レース後)は時間がなかったりするし。あとは、しっかりデータをエンジニアが送ってきてくれて、それを踏まえてのリプライを、とか。

—-それは、これまでに所属していたチームでも、同じようにやっていた?
左近
 チームによって、方法は違っていたりするんですけど、基本的には(こうしたレポートは)F1だけでなく、どんなカテゴリーでも重要だと思いますけどね。GP2でもやってましたし。

—-このチームからは、毎周書いてねといわれた?
左近
 いや、書いてねといわれることはないです。自分で(チーム側に)メールを送って、それに対しての反応があったりとか。ほかのドライバーがどうやっているかというのは、ぼくはわからないです。

—-それは、いつからやっている?
左近
 いつから? ・・・やっぱり、Eメールが発達してきてから、ですよね(笑)。でも、ぼくとしては、レースが終わったら、こういう問題点があるということは、チームのエンジニアに伝えたいし。こうして行けば、(ドライバーとエンジニアと)お互いに、理解していけるじゃないですか。

まあ実際は、シルバーストンとホッケンハイムで(自分が乗ったクルマの)エンジニアは違うので、まったく違うチームと仕事をしたということではあるんですけれど。

でも、ホッケン(ハイム)と今回は、同じエンジニアなので、たとえば「アンダーステア」だといっても、どういうアンダーなのかを(ドライバーとエンジニアで認識を)「合わせて」おかないと、クルマが余計な方向へ行っちゃうときがあるので。そういう意味では、ホッケンハイムは、ほんとに、スタートだったなと思いますね。

今回は、ホッケンハイム(での経験)を踏まえてのレースができるというのは、そういう意味ではアドバンテージですね。

—-「経験」ということには、そういうコミュニケーションも入ってる?
左近
 アンダーステアといっても、エンジニアとドライバーでは、違うことを言ってる可能性もあるので。そうなると、対処法も異なりますよね。
こういうのは、すぐにはできることではないので、セッションを重ねて、少しずつ(いい関係が)できていくものだとも思うし。

◆ダウンフォースが必要なここは、クルマ的にはきびしい!
—-前回の予選での、シフトのトラブルというのは?
左近
 シフトがしっかり働いてくれない──つまり、シフトしてもギヤが落ちずにニュートラルに入ってしまうとか、そういう問題があって・・・。そのミスで、1秒以上、セクター3ではロスしたんで、そういう意味では(ドイツは)悔しい予選でしたね。

—-日曜日は、エンジンが?
左近
 突然、止まった。エレクトリック・トラブルですね。

—-ここは、クルマ的にはきびしい?
左近
 ここは、ダウンフォースが必要なサーキットなので、そういう意味では、大変な週末になると思いますね(笑)。ブレーキ、トラクションも重要だし。・・・かといって、諦めてもしょうがないし、レースは何が起こるかわからないので、スタートして、フィニッシュまで、プッシュし続けて、ひとつでも前(の順位)でチェッカーを受けられるように、レースは頑張りたいと思います。

—-ここは、F1で何回目?
左近
 三回目です、そのほかにはGP2で一回走ってます。

—-コースとしては?
左近
 ぼくは、個人的には、けっこう好きなサーキットで、ブレーキングとトラクションが非常に重要なサーキット。あとは、けっこうバンピーな部分もあるし、チャレンジングな高速コーナーもあるし。

とにかく、一個一個(のコーナー)で、すごい「ハードG」がかかるわけではないんですけど、とにかく(ドライバーとして)休む時間のないサーキットなので、そういう意味で、体力的にも、すごく大変なサーキットですね。

—-“きびしい週末”に、ドライバーとしては、何を、どう、頑張る?
左近
 まあ、クルマ的に、すごく大変ですけど、でも、そんなクルマで、自分たち(チーム)のなかで、コンマ一秒(速く)走らせることというのは、速いチームもぼくらも、根本的には変わらないと思うんですよ。どれだけ、ブレーキを(コーナー手前で)遅く踏めて、どれだけ速くコーナーを抜けて、アクセルを開けられるかというのは──。

ドライバーとしては、毎周、グリップも変わるし、燃料の量(車重)も変わるし、相当、集中してプッシュしているという感じですね。

◆”パスのされ方”が、ここではとても重要になる!
左近
 あと、このサーキットでは、「周回遅れにされる」のを、どう処理するかというのは、相当、ラップタイムに影響します。また、ここは走行ライン以外は、すごくダスティなので、そういうところに乗ったら、タイヤのグリップもすぐに変わってきたりするので。

—-かといって、ブルーフラッグを振られていたら?
左近
 だから、どこで、どう、うまく避けるか、というのが・・・。これがほんとに、レース・タイムで、大きく変わってくると思いますね。とくに短いサーキットなので、その分、何回もラップされるだろうし。

—-このへんは、トゥルーリとかグロックは「抜かせ方」が巧い。ロスなく(上位を前に)行かせてるから、自分たちのロスも少なくなっている。極端に避けすぎるドライバーは、グリップを失って、余計に順位を落としてしまったり。
左近
 そうですね。エンジニア、曰く、ぼくはすごくそういうロスが少ないそうなので・・・。そういうので、(ラップタイムは)2秒、3秒、
変わってきますからね。

—-今回は?
左近
 まず予選で、気持ちよくプッシュしたいですね。シルバーストンもホッケンハイムも、予選は、気持ちよく走れてないんで。

このレースのあとは、ブランクが少しあるんで、気分よく夏休みを過ごせるように、今週、いい結果を出したいと思います。

【STINGER / text by Iemura Hiroaki】
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