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新刊紹介–『双頭の夢 HONDA F1 魂のルーツ』(山口正己著)

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F1だけでなく、日本の元気が溢れていた1960年代を、どうぞ。

1960年代が面白い!!

世界初のF1速報誌『GPX』の創刊編集長であり、[STINGER]編集長の山口正己が、この道40年の経験をフル動員して初の著書『双頭の夢  HONDA F1 魂のルーツ』を上梓した。

テーマは【1960年代】。

ホンダF1がF1にデビューした1964年から1968年のホンダF1第一期を中心に、その時代の出来事とその意味を書いているが、F1だけでなく、1960年代に溢れていた普遍的な夢とロマンの物語りである。


1960年代に、一眼レフカメラや自動巻きの腕時計が発売され、もちろん、その後日本の基幹産業になるクルマの、現在への基礎的が築き上げられた。そこには、現代の日本人が忘れかけてしまったかもしれない大切ななにかが確かにあった。

1960年代に、敗戦国となった日本がエネルギッシュに活動し、日本経済をも左右する出来事が起きていた。

1945年、戦争に負けて焼け野原となった日本は、アメリカの統治下に置かれ、GHQ(※)は、”勤勉な日本人”のポテンシャルを恐れ、軍需産業と航空機産業の研究開発を全面的に禁じた。
(※)ジェネラル・ヘッド・クォーター=アメリカを中心とする連合国軍が、終戦後の日本占領中に日本に置いたダグラス・マッカーサーを最高司令官とする総司令部。

航空産業開発禁止が日本に授けたもの

航空技術者や空に憧れて大学で航空機を学んだ技術者たちは、目標を失ったのだ。だが、その結果、面白いことが起こることになる。

日本のテクノロジーの多くの”最高峰たち”は、ある意味、仕方なしに自動車に流れた。日本初の本格レーシングスポーツ【プリンスR380】を創った中川良一さん、軽自動車のブームのきっかけとなった【スバル360】の生みの親である百瀬晋六さん、そして【ホンダF1】を指揮した中村良夫さんもその例である。

一方、航空産業の開発は自由だった”勝ち組”のアメリカは、トップクラスの技術者は当然ながら全員航空機畑で研究を続け、初めて月に人類を届けるなどの快挙を達成するが、反面、セカンドクラスが担当することになった1960年代以降のアメリカの自動車の凋落は、ここで繰り返すまでもない。

日本の技術を封じ込めようとしたGHQの想いは見事に外れ、自動車に注入されたそのテクノロジーが、アメリカに驚異を与えることになる。

その1960年代の自動車の急先鋒が、4輪メーカーとしては駆け出しだったホンダだったのである。

ビートルズのナンバーが世界中で大ヒットし、アジア初のオリンピックに湧いて日本が高度成長を遂げた1960年代に、ホンダはF1に挑戦を開始した。沸き立つような熱い時代のルーツがそこにはあった。

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※著者山口正己
小学生の頃から父親の影響でクルマに興味を持ち、中学生だった1966年にスポーツカーで争われた日本グランプリと日本インディに触発されてから50年。モーターレーシングに親しみ、40年前の1976年に日本で初めて行なわれた富士スピードウェイのF1日本GPで初めての取材パス(右)を取得。1986年、一世を風靡したF1速報誌『GPX』を創刊してから30年目に初の単行本を上梓した。プロのレースファン。

『双頭の夢  HONDA F1 魂のルーツ』
発行:三栄書房書房
定価:1680円(税込み)

*書籍

*電子版

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